575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

京都・蓮月茶屋の湯豆腐。     遅足

2012年07月15日 | Weblog
京都の青蓮院から知恩院へ向かう道の右側にあるのが蓮月茶屋。
何度か前を通って気になっていましたが、
先日、ようやく暖簾をくぐって、お昼を食べました。
豆腐料理です。このお店では豆富料理と書いてあります。
全十一品のコース。お値段は3650円。
湯豆腐の豆腐が美味しかったです。なかでも珍品が豆腐グラタン。
チーズのダメな私はパスしましたが、奥さんは「美味しい」と気に入ったようです。

箸袋には、こんな歌が。

 名のみにて月もやどらぬにごり江の蓮の古根とみぞふるにける

詠み人は幕末の人、太田垣蓮月という尼さん。
蓮月尼の好物だった豆腐料理の専門店ということで、
お店の名も蓮月尼にちなんだもの。

この蓮月さん、夫や子供を相次いで亡くして出家。
歌は上田秋成らに学び、陶器も焼くという歌人にして陶芸家。
幕末の志士とも交流があったとか。
美人でもあったようです。

岡本かの子に「ある日の蓮月」という戯曲があるそうです。
蓮月尼の庵。若い盗人が入って来て「他のものには目もくれません。
あなたの肉体を盗み取ろうとする盗人です。」と。
蓮月は「まあお待ちなさい。次第によっては差上げないものでもありません。
が、まだ私には腑に落ちないところがあります。それをもうすこし詳しく
話してください。」と、この乱暴な若者に接するのだが…。
この後の顛末やいかに?

 ねがはくはのちの蓮(はちす)の花のうへにくもらぬ月をみるよしもがな

辞世の歌です。                 遅足
コメント (2)
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