575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

わが受くる紙幣は瞬く間に数ふ   日野草城

2012年07月14日 | Weblog
昭和12年の連作「俸給」の第一句。

かじかめる俸給生活者の流(ながれ)、と、
都市生活者・サラリーマンとしての人生を歩んだ草城。
俸給のお金も、句の対象にしています。

 処女紙幣(しょじょしへい)青し颯爽として軽く
   
 老紙幣疲れうらぶれくづほるる

結核のため、昭和22年に休職、24年には退職。

 疲れたる紙幣(さつ)を共同募金する

共同募金が始まったのは、昭和22年。翌年の作。

 少(わか)き子が獲て来し紙幣(さつ)は眼に痛き

昭和25年の句。高校を卒業、就職した子(温子)の
初サラリーを詠んだもの。
父・草城が病気という事情から、大学進学を断念したという。

短歌でもお金を詠んだものを。。

 ポケットにゆうべの釣りの札があってその札で買ふ朝の真水を   魚村晋太郎

 人のために使ふことなしひと月を流れていきしお金を思ふ     澤村斉美

お金も立派に句や歌の題材になるんですね。
今は、ほとんど銀行振り込み。ちょっと味気ない気もします。
サラリーマンを退職して十年。ボーナスのないのにも慣れました。
今朝、蝉の鳴き声を聞いたと妻。私は耳が遠くて・・・
                          遅足


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多米低山小缶ビール夏夜明け    朱露

2012年07月14日 | Weblog
      目が覚めて二階の窓から東を見る。
      鈍角にすり減った黒々とした山脈。
      ここまですり減るのに何千億年だ。
      山を越えた途端に浜名湖とウナギ。


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