575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

葡萄食む母うめぼしの口をして    能登

2012年10月01日 | Weblog
作者は葡萄の句でお母さんを、自由題でお父さんを詠んでいます。

  薬とて不味そうに飲む温め酒

陰暦九月九日の重陽の日から本格的な秋。
以降、酒を温めて飲むと病気に罹らないとされ、
これを温め酒と言うそうです。
この句のお酒を飲んでいるのは、能登さんのお父さん。

子供のころ不思議でした。何故あんな不味そうに飲むのか。
近頃の自分も、そうして飲んでいるようです。
父母ともに他界してから、かなりの年月が経ちました。
ちょうど自分と同じ歳ころ、何をどう感じていたのか。
さっぱり分かりません。親不孝をしてきました。

と、能登さん。

そうですね。私も父に似ている癖を指摘されて苦笑いしたことも。
不味そうに酒を飲んでいたお父さん。
その心、なんとなく分かるような気もします。
家長という体面もあったのでしょうね。
                          遅足




   
コメント
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