575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

今日咲きて今日散る木槿留守の家    松ヶ崎敬子

2012年10月07日 | Weblog
九月の塔句会の一句です。
今日咲きて今日散る、というフレーズ。
当たり前のことなんですが、とても新鮮に読みました。
その木槿が咲いているのは、留守の家。
今日咲いた木槿の花は、今日散っていきます。
家人に見られることもなく散ってしまうのでしょう。

一日という時間のなかで一生を終える花。
その美しさ(哀しさ)が見事の詠み込まれています。

おそらく若い頃に同じ句を読んでも
なにも感じなかったのでは?と思います。

木槿が口を利けたら、人が見ていようが、
いまいが関係ありません、って言うかな・・・

                     遅足

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葡萄色爪染め付けて三日の余    智恵

2012年10月07日 | Weblog
巨峰を剥きますと、爪の間に葡萄色が残り、
何日間か、葡萄の名残が染み付いている、ということで、
マニュキアではありません、と作者。

ちょっと大袈裟な表現ですが、
爪を葡萄と言ってしまう詠み方もあります。

  染めあげて爪は葡萄に三日の余

同じことを詠んでいますが、印象はより鮮やかになりませんか?
なっていないか?(笑)
                      遅足
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