公園の木立ちの間を歩いても、このところ蓑虫を見かけなくなりました。
外来種のヤドリバエの寄生によって、その数が激減。自治体では絶滅危惧種に指定していると聞きます。
蓑虫の命の継承は極めて厳しい。
微少なフェロモンをたよりに交わり、オスはそこで死。メスは独りで1000コ以上の卵を産み、
孵化させて懸命に育て続けます。
やがて蓑の底にアナを開けて、メスはそこから地上に落ちて死。
幼虫はアナから這い出し、風に乗って四散し、場を求めて蓑を作りはじめます。
蓑虫はその姿から鬼の子と蔑まれ、父親にも捨てられて哀れ、と書いたのは清少納言。
秋には迎えにくるから、の言葉を信じて、蓑虫は「父よ、チチよ」と泣いているそうな。
か細い糸の先の蓑の中、父を待つ風情は秋にこそ。
ゆっくりと、今一度捜しに出かけましょうか。
・ 父よと泣き母よとは泣かぬ蓑の虫
・ 枯れ葉綴りの蓑着て密かな蓑の虫 あえかな銀糸を縁(えにし)と頼み
鳥野
外来種のヤドリバエの寄生によって、その数が激減。自治体では絶滅危惧種に指定していると聞きます。
蓑虫の命の継承は極めて厳しい。
微少なフェロモンをたよりに交わり、オスはそこで死。メスは独りで1000コ以上の卵を産み、
孵化させて懸命に育て続けます。
やがて蓑の底にアナを開けて、メスはそこから地上に落ちて死。
幼虫はアナから這い出し、風に乗って四散し、場を求めて蓑を作りはじめます。
蓑虫はその姿から鬼の子と蔑まれ、父親にも捨てられて哀れ、と書いたのは清少納言。
秋には迎えにくるから、の言葉を信じて、蓑虫は「父よ、チチよ」と泣いているそうな。
か細い糸の先の蓑の中、父を待つ風情は秋にこそ。
ゆっくりと、今一度捜しに出かけましょうか。
・ 父よと泣き母よとは泣かぬ蓑の虫
・ 枯れ葉綴りの蓑着て密かな蓑の虫 あえかな銀糸を縁(えにし)と頼み
鳥野