575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

落葉松は哀しからずや  鳥野

2012年11月13日 | Weblog
夏に暑い日が続き、急に温度が下がって秋、という年は紅葉が美しい、と聞きました。
ならば、と信州へ。

予想に違わず、見事な紅葉は木曾谷から始まり、あらゆる落葉の木が、それぞれの色を競っています。

翌日は三才山側から美ガ原高原へ。
フットワークのいい車と大胆なドライバーが高度を稼ぐ裏道。
紅葉、黄葉の真っ只中です。

ひときわ風情を見せるのは、落葉松。道も山肌も空までも黄金の色。
心に響く色です。

春の芽吹き、秋の黄葉、と親しまれているこの樹は別の呼び名が
時代遅れの樹。
戦後、造林の主役と持てはやされ、大規模な植林が行われたのに、
今では、電柱にも、坑木にも、製紙にも御呼びなし。
高原を覆い、只々、寂しく耀やいています。

北原白秋の詩こそ、相応うのかも。

 からまつはさびしかりけり
 たびゆくはさびしかりけり

 ほそぼそと通う道なり
 さびさびといそぐ道なり
 また細く道はつづけり



コメント
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