昭和の名句集100冊より。
愛日とは、冬のありがたい太陽のこと。
出典は中国の古典「春秋左伝」「冬日愛すべし、夏日畏るべし」。
夏の熱くていやな太陽は、畏日(いじつ)。
僅か17文字の俳句を豊かにする方法の一つは、
使いこなせるコトバの数を増やすことですが、なかなか増えてくれません。
愛日とは、良い表現ですね。
三橋敏雄さんは1920年に生まれ戦争中は海軍に。
戦後は、遺骨収集に従事していました。
戦争を引き起こした日本社会に鋭い批評眼を持ち続けた人。
2001年に亡くなっています。
当今(とうぎん)の昔赤子や冬霞
当今は現天皇のこと。この句の場合は昭和天皇を指します。
明治憲法では、国民は、みな「天皇の赤子(せきし)」とされました。
「赤子」に「あかご」と「せきし」の両方の意味を込めていると思います。
冬の霞が、厳しい時間の長さを象徴しているようです。
会社には大小あれど夏終る
こんな句、初めて読みました。
天皇を頂点とした上下関係が世の中を規定していた時代。
戦後もこんなところに同じ構造がありますよ、と。
この夏終るという季語には明るさも感じられます。
遅足
愛日とは、冬のありがたい太陽のこと。
出典は中国の古典「春秋左伝」「冬日愛すべし、夏日畏るべし」。
夏の熱くていやな太陽は、畏日(いじつ)。
僅か17文字の俳句を豊かにする方法の一つは、
使いこなせるコトバの数を増やすことですが、なかなか増えてくれません。
愛日とは、良い表現ですね。
三橋敏雄さんは1920年に生まれ戦争中は海軍に。
戦後は、遺骨収集に従事していました。
戦争を引き起こした日本社会に鋭い批評眼を持ち続けた人。
2001年に亡くなっています。
当今(とうぎん)の昔赤子や冬霞
当今は現天皇のこと。この句の場合は昭和天皇を指します。
明治憲法では、国民は、みな「天皇の赤子(せきし)」とされました。
「赤子」に「あかご」と「せきし」の両方の意味を込めていると思います。
冬の霞が、厳しい時間の長さを象徴しているようです。
会社には大小あれど夏終る
こんな句、初めて読みました。
天皇を頂点とした上下関係が世の中を規定していた時代。
戦後もこんなところに同じ構造がありますよ、と。
この夏終るという季語には明るさも感じられます。
遅足