句友のIさんから頂いた「井上弘美句集」のなかの一句です。
私の母は「死ぬのも一仕事」と言っていました。
確かに生まれることと、死ぬことは人生の最初と最後の仕事。
「おぎゃー」という産声は、肺呼吸を始めるための大仕事。
もちろん死もそれに負けないほどの大仕事ではと想像しています。
もう数日前から母の危篤状態が続いている。
呼びかけに応える回数も少なくなってきている。
母は確実に死への道を進んでいる。
死に向かって心や体が準備をととのえている・・・、
私は、そんなことを感じました。
この句の「死のととのってゆく」は、どう読んだら良いのでしょうか?
作者は、母の死を看取り、死後のセレモニーが目の前で進行していく。
母の死は、遺されて人々によって整えられていく、その様子を詠った句でしょうか?
あるいは、葬儀も終り、作者が母の死をしずかに受け入れようとしている。
そんな気持ちでしょうか?
多分、そのすべてを「死のととのってゆく」と詠まれたのでしょう。
夜の雪が、作者と母を包みこんで静かに降っています。
遅足
私の母は「死ぬのも一仕事」と言っていました。
確かに生まれることと、死ぬことは人生の最初と最後の仕事。
「おぎゃー」という産声は、肺呼吸を始めるための大仕事。
もちろん死もそれに負けないほどの大仕事ではと想像しています。
もう数日前から母の危篤状態が続いている。
呼びかけに応える回数も少なくなってきている。
母は確実に死への道を進んでいる。
死に向かって心や体が準備をととのえている・・・、
私は、そんなことを感じました。
この句の「死のととのってゆく」は、どう読んだら良いのでしょうか?
作者は、母の死を看取り、死後のセレモニーが目の前で進行していく。
母の死は、遺されて人々によって整えられていく、その様子を詠った句でしょうか?
あるいは、葬儀も終り、作者が母の死をしずかに受け入れようとしている。
そんな気持ちでしょうか?
多分、そのすべてを「死のととのってゆく」と詠まれたのでしょう。
夜の雪が、作者と母を包みこんで静かに降っています。
遅足