575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

塩引きを炙って   鳥野

2012年11月20日 | Weblog
夕陽の美しい温泉、という呼びかけに誘われて、越後・村上市の「瀬波温泉」を訪れてから
何年になるだろうか。

石油ボーリングの時に発見されたといい、湯量は豊富。日本海を目の前にした風景も
申し分ありません。

村上のもう一つの魅力は、三面(みおもて)川を遡上してくる「鮭」。
古語そのままに、イヨ、ボヤと呼んで親しみ、博物館の「イヨボヤ会館」は、
鮭の生態や文化を学ぶ場です。

秋、大挙して押し寄せる鮭。その村上ながらの保存方法が「塩引き」です。

最盛期のオスを裂いて塩で洗い、日本海の寒風に晒して引き締めます。
腹を割くのに、中鰭の辺りを2センチほど残すのが、秘法。
武士の切腹を嫌った城下町の名残と言います。

塩引きは、焼いてよし、日本酒に浸すもよし。レシピは百余りと聞きました。

  ・ 塩引きを炙って夜を独り汲む  鳥野

コメント
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