575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

千年余を生きて   鳥野

2015年04月14日 | Weblog
長く生きて来たおかげで、盛りの花に幾度も会う
ことができました。
北海道に春を告げる松前城址の桜、黒板塀の武家
屋敷によく似合う,角館の枝垂れ。高遠の可憐な
コヒガン。過疎の村で訪れる人も稀、ひっそりと
己が姿を水に映していた苗代サクラ・・・、どれ
も印象的。なかでも忘れられない一つは、根尾谷
の薄墨桜でしょうか。

齢千年余。一旦は枯死しかけたのを、人びとの情
熱で蘇生させたのは有名な話。
いま、堂々たる名木は、杖とも頼む数多くの支柱
に支えられ、根はウレタンの注入で保護されてい
ると聞きました。
見学の人に感銘を与え続けたエドヒガン。頭の下
がる思いです。

 ・ 千年をいきて千度の春の色 薄墨桜淡々と
   咲く

 ・ ウレタンを充填されて継ぐ命 花の呻きか
   風わたりゆく
                 鳥野


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする