575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

冬座敷日矢は斜めに位につけり   等

2016年01月23日 | Weblog
日矢とは、雲間から太陽の光が地に射し込むこと。
その光線を矢に喩えた言葉です。

  ふりむかぬ大勢に射す春の日矢   桂 信子

位につく、とは、その場につくこと。場を占めること。
王位につく、と言われるように目上の人に使われます。

  山河はや冬かがやきて位につけり  飯田龍太

ともに俳句の世界で使われる言葉です。

冬の座敷に一条の光が矢のように射し込んでいる。
その光は、まさにあるべき場所を占めている。
内容は、誰でも見たことのある風景ですが、
表現に工夫のある句です。

         

この冬座敷は、犬山にある茶室の如庵だそうです。
如庵をつくったのは、織田信長の弟・織田有楽斎。
最初は、京都・建仁寺の塔頭・正伝院に。
明治維新になって東京の三井家に。
戦後に、名古屋鉄道によって現在の犬山にと、
歴史の激動を生き抜いてきた国宝です。

                  遅足

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