575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

謡初(うたいぞめ)後期高齢者を揃え   遅足

2016年01月19日 | Weblog
昨日は初謡でした。私は「箙(えびら)」のワキの僧の役です。
最初にこう謡います。

  春を心のしるべにて。春を心のしるべにて。
  憂からぬ旅に出でうよ。

能は、歌あり、台詞あり、笛・鼓などの音楽あり、
地謡というコーラスありという総合芸術。
謡曲は、衣装や面をつけず、お囃子もない素謡です。

箙のシテは、源氏の梶原源太景季。
箙に、梅の花をさして一の谷の戦いに出陣した若武者。
舞台では、幽霊となって現れた景季が戦の模様を再現、
僧の供養を受けて消えていきます。

世阿弥のつくった能には、平家物語や源氏物語などの人物が
シテという演目が多くあります。
語りや絵巻物などでしか知らなかった人物が
目の前の舞台に現れたので、びっくりしたことでしょう。

        

それから650年。
現在、古典芸能となった能を支えているのは後期高齢者です。
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