575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

形見着て濃茶まわせし冬座敷   智恵

2016年01月25日 | Weblog
若いころ、祖母のあつらえてくれた形見の着物を着て、
初釜の席に、と作者。
冬座敷という季語は、人生の節目節目の出来事を
思い出させてくれるようです。
形見という言葉が、冬座敷のぴんとした空気を表しています。

正式のお茶席では、お薄と濃茶の両方が出るとのこと。
とくに、濃茶は大切なお茶事だそうです。
何分、茶道には疎いのでググってみました。

濃茶の場合は「点てる」とは言わず「練る」そうです。
もともとは中国から薬として伝わったお茶。
その当時の飲み方が濃茶として続いています。

テレビで見ただけですが、ひとつの椀に入っているものを
飲みまわしていましたが、この飲み回しは、利休が始めたものと。

晴れ着を着て濃茶をまわす。
緊張していた作者の姿が目に浮かぶようです。
形見と冬座敷は相性がいいようです。

  冬座敷形見の品を広げたる  平居澪子

         のち

名古屋も寒い朝。氷点下4度でした。1センチの雪。

  雪景色正面にして冬座敷   遅足

 
コメント
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