575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

牡蠣打ちの息子受験日手は止めず   能登

2016年01月10日 | Weblog
牡蠣打ちとは、肉を取り出すために殻を打ち割ること。
また、岩についている牡蠣を手鉤ではぎ取ること。
と、歳時記に。

今回の牡蠣の句のなかで、唯一労働を詠んだものです。
牡蠣打ちは女性の仕事とされてきました。
結婚し、母となった牡蠣割女。
子供の受験日にも手は止めずに、仕事に打ち込んでいます。
とても良い句だと思います。

牡蠣打ちを詠んだ句がいろいろあります。

  牡蠣の殻打割れば潮匂ひたる   波出春弥

  牡蠣打つや島に生れて島に嫁し  佐藤三男

  乳呑ます時は乳の香牡蠣割女   田村劉一郎

              

牡蠣の殻は焼いて粉砕。その粉は「ボレイ」という生薬になるそうです。
また、日本画によく使われる白色の顔料として利用されています。
身も殻も役立っているスグレものですね。

コメント
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