575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

酉の市美登利初店島田結ひ   佐保子

2017年01月30日 | Weblog
樋口一葉の「たけくらべ」からの一句。

主人公は美しい少女の美登利。
その年の大鳥神社の酉の市は大賑わいでしたが、
美登利は、いつもと違って幼馴染の正太郎を避けます。
ふてくされて正太郎は帰ってしまいました。
「大人に成るは厭やな事・・・」と美登利は嘆きます。

大島田に髪を結った日から美登利は変ったのです。
作者は一言も理由には触れておらず、読者の判断に任せています。

研究者の間では、初潮が原因という説が定説でしたが、
作家の佐多稲子が『娼妓として正式なものではないが、
秘密裏に水揚げが行なわれたのではないか』と
初店説を唱え、一時は大論争になったそうです。

子供のままでいられたら・・・という気持ち、
私にも記憶があります。
なにかコワイんですね。大人の世界は。  遅足

コメント
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