575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

リアルのゆくえ展  遅足

2017年09月02日 | Weblog
絵画といえばゴッホやピカソ、ルノアールなど。
印象派以後の西洋絵画の人気が高く、写実的な絵は今一つです。

私は印象派より、写実的な絵が好きなんです。
いわゆるスーパー・リアリズムと呼ばれる絵です。
でも、何故好きなのか?うまく言葉で言えません。
そんな私にぴったりの展覧会が開かれています。
愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館の「リアルのゆくえ」展。
先日行ってきました。

会場入り口には、「鮭」の絵が2枚。
一枚は、日本洋画の先覚者、高橋由一の作品。
教科書にも載っているあの鮭の絵です。
もう一枚は、現代作家の磯江毅の絵。
高橋由一をオマージュする作品です。
ふたつの絵の間には100年以上の時が流れています。

会場には、絵とともに作者の言葉が紹介されていました。
私にとってリアルとは?という質問に対する答えです。

  真実の追求で永遠の生命力である。 奥谷博

  魂の世界を表すべきものである。  野田弘志

  普遍性を追うことである。     木下晋

それぞれに、なるほどという答えが書かれていました。
私がこれだ!と感心したのは、長谷川潾二郎の言葉です。

  現実とは精巧に造られた夢である。

スーパーリアリズムの持っている魅力は、
現実を描きながら、醸し出される非現実感にあります。
描かれているのは現実ではなく夢なんですね。
なんとなく胸にストンと落ちるものがありました。

長谷川潾二郎の「猫」が展示されていました。
この猫、実は未完成なんです。右の髭が描かれていません。
作者は徹底した写実派。
猫が絵と同じポーズを取らないと筆をとらないのだとか。
結果、ついに未完成のままで終わったそうです。

この展覧会は18日までです。

写真は鮭です。松本市内でみつけました。



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