575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

梨の思い出   麗

2017年09月28日 | Weblog
郁子さんから、私の大好物の二十世紀梨を頂きました。
梨には「豊水」や「幸水」などの「赤梨」と、「二十世紀」などの「青梨」の二種類に分けられるそうですが、私は青梨が好きなのです。あの瑞々しい食感とさわやかな甘さがたまりません。

そして梨といえば運動会のお弁当の片隅に入っている定番の味でした。
梨をさくっと噛むといろんなことが思い出されます。

初めての小学1年生の運動会の時、母は病気で入院中でした。父も仕事を休むなんて言う時代でもなく、心細い思いをしていました。
すると、九州から祖父母が来てくれていたのです。叔母の出産にあわせての上京だったようですが、とても嬉しかったことを覚えています。その日のお弁当は祖父母と食べたのかあまり記憶にないのですが。。梨を食べるとなぜかこの運動会のことと今は亡き祖父母のことを思い出します。

優しかった祖父は、母のお見舞いに行く途中にポケットからキャラメルを出してくれました。手をつないで踏切を渡ったことも覚えています。
祖父は高校の書道の教師でした。「心がざわつく時は墨をすりなさい」と母によく言っていたそうです。
今回の句会で

   居住まいを正し墨する秋の声

はそんな祖父の背中を思い出して作りました。おじいちゃん、書家の孫なのに字がへたで本当にごめんなさい。
でもこれから先の人生で心がざわつく時は墨をすって心を落ち着かせるからね。
梨をいただきながらそんなことを思った秋の夜でした。
コメント (2)
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