575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

秋の声句会    麗

2017年09月21日 | Weblog

昨日の句会、日中はまだ冷房が欲しい暑さでしたが、さまざまな秋の声が聞こえて来ました。
では恒例の一言講評です。原文の俳句もつけて欲しいというご要望にお応えしました。この方が見やすいですね。


①秋声や花を棺に孫曽孫
状況がよく目に浮かびます。目に見えない言葉と秋の声が響き合います。亡き人の心の声か?

②露天湯の星のまたたき秋の声
⑫の句と中7下5が全く同じでした。こんな偶然があるのですね。星のまたたきまでも秋の声に聞こえます。

③七草の青色冴えて秋の声
「七草」と「秋の声」は、季重なりという指摘がありました。「冴える」は冬の季語?
季語は難しいですね。青色の花は桔梗の花と詠んだ人が多かったです。
「百草(ももくさ)」としてはというどうでしょうか?というアドバイスあり。

④茜雲地上溢るる秋の声
地面全体から秋の声が聞こえてきそうです。

⑤秋の声朝から弾むお代わりと
食欲が出て元気な朝の様子と「秋の声」と少しニュアンスが合わなかったのでしょうか?「秋たけなわ」の方が似合うような。。

⑥北風に変わる窓辺や秋の声
「北風」は冬の季語との指摘あり。それでも風向きが変わった感じは共感を覚えます。

⑦箔を押す指の先より秋の声
名古屋城本丸御殿の障壁画を復元させる金箔を貼る丁寧な作業。息さえも止めて。。

⑧湯に入れば末尋ねたき秋の声
人生の行く末。物思う秋です。お風呂に入って一人の時間、ふとこの先のことが気になります。

⑨秋声や暗渠に消える水の勢
タモリさんが喜ぶ「暗渠が俳句に出てきました!暗渠に流れ込むさまざまなもの。静と動の対比がいいですね。」

⑩児等の声くらげ連れ去り秋の声
「くらげ」は夏の季語だという指摘あり。くらげが出てにぎやかだった海水浴場も静かになった秋の海。

⑪居住まいを正し墨する秋の声
久しぶりに硯で墨をすりました。背筋をのばして無心で感じる秋の声ととって下さいました。

⑫「また来て」と星のまたたき秋の声
露天風呂から見た夜空。「また来て」と星がささやいているかのよう。



いかがでしたでしょうか?暑さに耐えほっと一息ついた時に聞こえてくるさまざまな音や思い。そんなかそけき音を聞き逃さないように丁寧に過ごしていきたいですね。
でも我が夫は耳鳴りがうるさくて、ちっとも虫の声が聞こえないそうです(笑)

来月は秋も深まりそうです。「秋収め」というお題になりました。ちょっと難しい季語ですががんばりましょう!!
コメント (1)
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