575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ほおずきの思い出   麗

2019年08月08日 | Weblog
耐え難い暑さが続きます。でも今日は立秋です。残暑お見舞い申し上げます。

さて、次回の句会のお題は「ほおずき」です。お盆に欠かせないほおずき。
子供の頃、お盆が終わると母が「ほおずき笛」を作ってくれました。
「ほおずき笛」。一体どのくらいの方がご存じでしょうか?

それはそれは難しい「ほおずき笛」。作るのも鳴らすのも一筋縄ではいきません。
それはどんなものかといいますと、まず、ほおずきの袋を裂いて、ひっくり返し、てるてるぼうずのような形にします。
その状態でほうずきの実の部分をひたすら軟らかくなるまでもみます。
決して焦ってはいけません。優しく優しくもんで、時間をかけて軟らかくしていきます。

そして完全に軟らかくなって実の中で、種がぐるぐる動くようになったら、ほうずきの首の部分を傷つけることなくそっと回して水分や種を少しづつ外に出していきます。これは、かなり難しい作業です。ちょっとづつ中身を出して、完全に出したら水で洗い笛の完成。ほうずきの皮だけになった訳です。

これをふくらませて、下唇に穴の部分を乗せて上の歯で優しく押すと空気がもれて「ぶう」というちょっと変な音が鳴るのです。もう45年くらい前に母から教わった「ほおずきの笛」。何個も失敗してやっとできるようになりました。

母は覚えているでしょうか?器用な母はなんなく作っていましたが、子供の私にはとても難しい作業でした。
今、施設で暮らす母は「家に帰りたい」と泣いているとのこと。それを聞くのが私は辛いです。
ほおずきを持って行ったら一緒に遊べるかな?


         幼き日母と作りしほおずき笛  麗
コメント (2)
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