575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

桜紅葉過去しゃらららと巻き戻し  竹葉

2021年10月01日 | Weblog
この句の魅力は しゃららら ですね。とても効果的に句全体を動きのあるものにしています。

等さん:
過去を振り返る時は、往々にして悲しいものですが、
これを“しゃらららら”と 軽いオノマトベでかわした点が良いと思いました。

殿さま:
桜紅葉<さくらもみじ>
擬音は冗漫になることが多く私的には避けています。そして「しゃららら」デジタルではありえないアナログ的な音。
懐かしいビデオテープや16mmフィルムを彷彿。擬音がレトロな作者の世界観を生み出しています。

映像に造詣の深い殿さまならではの感想です。

作者・竹葉さんにも伺いました。
  「ありがとうございます。
   紅葉では真っ赤でも黄でもない色んな明るい色のある桜の葉がすきです。
   過去を振りかえるこの時期をからからと落ち葉の音にしようと思ったのですが、
   過去の彩りもなくなるので明るい言葉を探しましたが、今度はかるがるしくなってしまいましたね。」

いえいえ、とてもオリジナリティーにあふれる しゃららら と思います。
降りしきる落ち葉がタイムワープの役割をはたし、自分の立ち位置も浮遊する感じ。

感動や感じた多くのことをたった十七音で表すのは難しく、
言い足りないものになったりしますが、
意表をついた擬態語が、ときにとても雄弁に世界観を広げます。
もちろんそのオノマトペが成功した場合ですが。。
       

今日から10月です!
  禁解けて街しゃらららとマスク行く  郁子  
    これは失敗例?(笑)  
コメント (1)
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