575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

亡き夫の釘打つ音や秋晴れて  亜子

2021年10月07日 | Weblog
亜子さんの亡きご主人はボトルシップをはじめ、本棚や屏風などなんでもご自身で作られる方だったそうです。
お天気のいい日は作業台のあるベランダでよく釘を打っておられたとのこと。ベランダには今も大工道具がいっぱい残っているそうです。秋晴れの日、今もその音が聞こえてくるような。それは悲しい音ではなく明るい平和な音だそうです。少しずつ悲しみも懐かしい思い出に変わって行くのですね。

結宇さん:秋天に立ち上がってゆくのでしょうね。ふとくぎ打ち作業の時に
          思い出す亭主のありがたさかな? 失礼。

竹葉さん; お別れの時のあの釘打ちの響きは「秋晴れ」の季語に合ってて、じめじめはしてないけれど、未だ亡き人を忘れられない心が伝わってきます。

              ★★★

私も竹葉さんのように最後のお別れの時のことを詠んだのかも?と思いました。「秋晴れて」という季語に天に召されるある種の明るさや穏やかさも感じられました。あるいは、どこからか誰かの釘を打つ音が聞こえて来て、日曜大工などで釘を打っていた生前のご主人を思い出されたのかも知れないと。いづれにしても乾いた秋空にも心にも響きく音だと思いました。

それにしても俳句で亡き人のことを詠むという行為は、何よりの供養であり癒しでもあると思います。私もどうしても亡き母のことを詠んでしまいます。亜子さんの亡きご主人への俳句は時を経てこれからますます深みを帯びていくことと思います。麗子

コメント
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