575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

鍋の焦げ剥ぐや独居の秋日和  亜子

2021年10月29日 | Weblog

皆それぞれの秋日和、寄せられたコメントです。

等さん:夏が終わり冬の寒い季節に向かう、一人住まいの老人の淋しさが、“鍋の焦げを取る“と言う具体的な言葉で良く表現されています。

結宇さん:いかにも独り身の生活感ですね。どうみても男所帯と思いたくなりますが、どうでしょう。

 

作者は女性でしたね。ほかに晴代さん、私も一票投じました。

最愛のパートナーである旦那さまを亡くされ、一人暮らしの亜子さん。介護中は、飲み込みやすさを考え食事つくりにとても気を使うとおっしゃっていました。

「そんなに頑張らずとも」とご本人の身体のほうを心配したこともありましたが、今はご自分のための食事つくり。

ふと物思い、鍋を焦げ付かせたことがあったかもしれませんね。一人暮らしの寂しさも感じますが、

苦笑しながらも一心不乱に焦げをカリカリとこそげ落とす作業は、明日に向かっていく!という強さと明るさを私は感じました。

「秋日和」という季語との取り合わせかもしれません。

 

作者は5年前

 まず薬缶磨いて老いの年用意

という句を作っています。(2016.12)

大掃除をして新年を迎えるため、まず手始めにやかんを磨くという大先輩の暮らしぶりと矜持におおいに感銘をうけ

麗子さんと私はすぐに真似をしたのを覚えています。私に関しては二年目くらいに挫折してしまいましたが・・

 

女はいつも手を動かしているのです。憂いや哀しみのなかにあろうとも。 (ひとにもよるかな?) 郁子

 

コメント
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