575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

虎鶫             草女

2008年04月04日 | Weblog
 三月中旬、湖北スポーツの森でトラツグミに遭遇した。スズメ目ヒタキ科の留鳥でツグミの仲間では一番大きい。全国の山地に生息し、繁殖期以外は一羽でいることが多い。暗い森や藪のある林の地上を歩き回りミミズや昆虫の幼虫などの餌を探している。警戒心が強く薄暗いところを好むので、私たちが目にすることは少ない。
 繁殖期の夜間から早朝に「ヒィーイ」という不気味な声5から10秒間隔で繰り返して鳴くという。奈良時代から「ぬえ」「ぬえとり」の名で知られていた。源頼政が紫宸殿上でい射取った怪獣ぬえ。頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎で声はトラグミ。
 頭や背は黄褐色で黒い斑紋があり、そこからトラツグミと命名され大正時代に統一された。
 それまでは、「ヨミツキドリ」「オニグミ」など不気味さの漂う名で呼ばれていた。「うらなき」と呼ばれる独特の鳴き声と意表をついた斑紋からであろうが
実物のトラツグミは黒目がクリクリしていて可愛い。
 山と渓谷社「鳥のことわざ、うそほんと」(国松俊著)に面白いエピソードが載っている。
 1973年6月静岡県の御殿場でこの鳥の鳴き声に恐ろしくなった自衛隊の夜警隊員が警察に通報してパトカーの出動する大騒ぎになったり、1976年神奈川県の西丹沢で正体不明の怪しい音を聞いた人がそれを録音した。この丹沢山中から発信された声の正体を聴いてUFOの音だという人や戦国時代の武士の亡霊だという人がいたりしてこちらも大騒ぎになった。
 そんな話を聴くたびに実際の鳴き声を聴いてみていと思っている。

 
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花見   麗

2008年04月03日 | Weblog
今年も落合公園にお花見に通っています。
ソメイヨシノに混ざってサトザクラというピンクの桜も
見事でそのコントラストに目を奪われています。

今年からバーベキュー禁止になったのでゴミも少なくなり気持ちのよい
朝の桜並木の散歩。
満開の桜を見ているとなぜか銀河・宇宙が感じられるのです。
無限の星のように壮大な桜。

        散歩道桜宇宙に魅せられて  麗
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塔句会の句集「塔」    遅足

2008年04月02日 | Weblog
塔句会。
東海三県の民放OBでつくる句会。
発足して5年。はじめての句集をつくりました。
句集のタイトルはテレビ塔にちなんで「塔」です。

句集のなかの、桜の句を選んでみました。

  花の散るさらさらさらと草書体   江本絵悶

  夜桜や妻との散歩四歩五歩と   太田長良

  花冷えや祭囃子に浮かれ出て   大橋静荷

  花ひとつひとつ蜜蜂挨拶し     角谷久壽男

  山桜きのうにまさる空の青     小泉仁信

  桜花行き交う人はみなさくら    竹内克子

  ひらがなのやうに流れし花筏    松ヶ崎敬子

  うすずみと色をさだめて散る桜   松田遅足

桜の句のなかった方の句は、次の機会に紹介します。





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ネコ礼賛    鳥野

2008年04月01日 | Weblog
愚足さんから、”招き猫亭”コレクションによる「ネコ画名作展」という珍しい美術展の情報が届きました。
すぐにでも行ってみたいのですが、なにしろ会場が横須賀市の「カスヤの森美術館」と遠い。

せめて、画像でもとネットを開いたら、美術評論家・林紀一郎氏の「開店を祝う言葉」に出会いました。
これが滅法面白い。かなりの長文で隅から隅までネコ礼賛、ネコに目のないワタシでも小恥ずかしほどです。曰く。

「ネコは仏陀の如く覚者であり、パスカルにも勝って深く瞑想し、ニーチェよりも生死を知り、チャップリンの如く孤独と悲しみを知る喜劇役者でもある。

さらに、
「ネコはわれわれ人間を虚仮にし、黙視、嘲笑する。哲学者であり、美学者であり、矛盾撞着に満ちたニヒリストであると同時に個人主義者、否自由主義者なのだ・・・とまだまだ続きます。

林氏はイヌもネコも一緒にくらして、ネコとは26年とか。その実感だから間違いはないのだろうが、当方のネコは単なる我儘な可愛い奴め。「ヤリタイコトシカヤラナイモン」が信条です。

展覧会には行けなかったけど、この「祝辞」に会えたのは何より。フムフムと繰り返し読んでいます。

   ・ 漱石の生まれ変わりのように座す猫あり秋陽ふふむ白毛

   ・ 人間に飼われてあれば猫又とついには化さん月かげのなか  

                        大塚寅彦
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