575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

散る桜鼻腔の奥に在る記憶   郁子

2017年05月15日 | Weblog

鼻の奥がつーんとする。
桜が散っていくのを見て思い出したこと。
どんな記憶かは読み手に任されています。
哀しかったことでしょうね。
わずか17文字しかない俳句の骨法を
見事に使いこなした句です。

        

子供の頃、西瓜を食べた直後に激痛。
急性盲腸炎で手術をうけました。
脊椎麻酔の注射の痛かったこと!
痛みは深く身体に刻み込まれており
時にふれて思い出されるのでした。
しばらくの間、西瓜も食べたくありませんでした。

                遅足
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古九谷の皿に散りたる釉の花   等

2017年05月14日 | Weblog
自由題の一句。金沢の焼き物・九谷焼を詠んだもの。

作者のコメントです。
 石川県立美術館に古九谷の大皿がありました。
 濃緑を背景ににピンクの小さい花が散っている見事な作品でした。
 ただ色々な芸術作品がある金沢にしては陳列作品が貧弱で、
 絵や彫刻などは一つもなく、残念でした。

         

釉の花は季語ではありません。
しかし、この句からは春が感じられると思います。
厳密にいえば無季ですが、読む人の多くは
春を読み取ることと思います。
また釉の花のように、本物の花が散っているとも
読めます、と亜子さん。

             遅足





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外人のハグ勘違い四月馬鹿   狗子

2017年05月13日 | Weblog
文化や習慣の違いは誤解を生みやすいもの。
男女が直接、抱きあう習慣のなかった日本人。
ハグをされて勘違いした人もいたことでしょうね。
四月馬鹿も西洋の文化とともに輸入されたもの。
日本では、それなりに根付いているようです。

これに抵抗したのが中国のメデイア。
新華社は『エイプリルフール』は、中国文化や
社会主義の核心的価値に合わない。
嘘をつかない、嘘を伝え広げないように、と呼びかけました。
しかしインターネット世界での反応は、冷ややか。
「国営メディアは毎日が嘘情報」
「中国人民は67年間も嘘を付かれ続けてきた」
と逆に、皮肉っていたそうです。
昨年の出来事でしたが、今年はどうだったのかな。

          

異文化との接触は新しい文化を生みだすことも。
日本の食卓文化も、中国や欧米のものを取り入れて
ずいぶん変わりました。
いわゆる「洋食」などが庶民の間に普及したのは、
東京オリンピック以降ですね。

四月馬鹿は、どこか日本人の肌にあわない点もあり、
完全に定着するところまでは行っていないようです。
でも日本人のほうが中華思想の国より外からの文化に
寛大ですね。
                遅足






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「理想的な死に方」考   竹中敬一

2017年05月12日 | Weblog
先日、名古屋市昭和区八事の興正寺光明殿で大塚幹郎さんのドキュメンタリー
「山頭火」の上映会に行ってきました。
元名古屋テレビプロデューサーの大塚さんは私より年下、といっても80歳近い
ですが、退職後、とりつかれたように漂泊の俳人 山頭火の足跡を追って、
同じテレビ局にいたカメラマンと映像作品を何本も制作しています。

私も経験があるのですが、自分でビデオ撮影しても、人様に見て頂く作品に
仕上げるまでには、相当の費用がかかります。
大塚さんはこれまでに55回も全国各地で山頭火の上映会を開いていますが、
殆どの場合、入場無料。退職金や年金をはたいて(?)、取材を続けています。
作品の冒頭、網代笠(あじろかさ)に黒衣(こくえ)、わらじ姿の雲水の後ろ姿が
登場しますが、このモデルは大塚さん。
堂に入っていますが、最近、その風貌までもが、山頭火に似てきています。

種田山頭火(1882~1940)は、山口県防府の生まれ。生家の破産などで、熊本の
曹洞宗報恩寺で出家得度。中国、九州、四国など全国を漂泊。

「わけいっても わけいっても あおいやま」などの自由律の句を詠んでいます。

これまで、大塚幹郎さんのドキュメンタリー「山頭火」を何本か見てきましたが、
最近、これらの作品を通じて、「理想的な死に方 とは」ということについて
考えるようになりました。

以前にテレビで見たのですが、一頭の鹿が山の中で、猟師に追い詰められます。
最後の一瞬、穏やかな表情のまま、バタッと倒れてると、すぐ、苦しむ様子もなく
息絶えました。これが一番、理想的な死に方だと思います。

次はポックリ。聞こえは悪いものの、野垂れ死にもわるくはないと思っています。
大塚さんから聞いた話ですが、山頭火に影響を与えた俳人の井月(せいげつ) は
30年に渡り、伊那谷を漂泊。「コジキ井月、シラミ井月」と云われながら、最後は
野垂れ死にしたそうです。

私はこの話を聞いて、なぜか、まだ行ったこともない中国国境に近いラオスの寒村で
野垂れ死にすることを夢想するようになりました、

約2時間の上映会が終わって、外へ出ると、まだ午後3時半というのに夜と間違える程、
境内は暗く、横なぐりの雨が降っていました。市が立つなどして賑わっていた境内は
人の姿もなく光明殿の軒先で雨宿りをしていると、雷鳴が轟き稲妻が走っていました。
やがて、あたりが明るくなったかと思うと、最近、完成したばかりの金ぴかのお堂が
燦然と輝き、闇の世界が急に明るくなりました。まさに、極楽浄土の出現。
不思議な感覚に襲われた一日でした。
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ミニ登山    麗

2017年05月11日 | Weblog
GWのある一日、犬山市の本宮山293メートルに登りました。
登山道の入り口はよくお参りに行く大縣神社です。そこから約30分。頂上にある奥宮を目指して汗だくになって登りました。
途中、いくつかの祠があり岩場からの景色も楽しみました。
無事に奥宮でお参りをすませ、頂上付近の若葉風が吹き渡るところで一休み。前日に炊いたタケノコご飯のおにぎりをほおばりました。
まさに眼に青葉のミニ登山。江戸時代からここに登る人がいたそうです。
特に遠出もしなかった今年のGWですが、気持ち良い汗をかきリフレッシュ出来ました。

       若葉風吹かれ奥宮目指す道    麗
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「若葉」句会ちかづく。  遅足

2017年05月10日 | Weblog
季節の移り変わりの速いこと。
桜が咲いたかと思ったら、もう葉桜に。
さくらんぼの実が赤くなると、ヒヨドリがやってきます。
聞きなれない声がすると思ったら椋鳥です。
3羽から4羽でやってきてヒヨドリをよせつけません。
あっという間に実を食べつくしてしまいました。

キャンパスの樟の並木も少しづつ緑が濃くなっています。
今回の題詠は「若葉」
柿若葉、樟若葉。若くてけがれのない美しさです。
この若葉から生まれる風を若葉風といいます。

  柿若葉そらに字を書く父の指  遅足

写真は京都・北野天満宮の青もみじです。
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四月馬鹿沙翁のフールも赦されむ   結宇

2017年05月09日 | Weblog
沙翁とはシェイクスピアのこと。フールは道化。
シェイクスピア劇にはよく登場するキャラクターです。
四月馬鹿なら道化のウソも大目に見られるでしょうね。

道化は、時に容赦なく権力者を茶化したり批判したりします。
当意即妙なせりふで、相手を喜ばせたり、煙に巻いたり。
知恵がなければできないので、wise foolと呼ばれているそうです。
フールのウソは、私達のものの見方を変えたり、
常識を打ち破る力を持っているのです。     遅足


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孫の嘘騙されたふり4月馬鹿   能登

2017年05月08日 | Weblog
一、二歳くらいの幼子はウソを知りません。
言葉を覚えていくにつれて、身について来るようです。
三歳くらいになるとウソがつけるようになるとか。

ウソとホントの違いが分かってきた孫を詠んだ句。
まだ大人を騙せるような上手なウソがつけません。
簡単に見破られてしまいます。
オジイサンは騙されて振りをしています。
微笑ましい四月馬鹿ですね。

         

トランプさん、平然としてウソを言います。
ウソというかホントではないことを。
それを受け入れている人たちは
騙されたフリをしているのでしょうか?
ウソと知りつつも、心地よいのでしょうか?

選挙の公約も多くはリップサービスに終わりますが、
それとは違ったものが感じられて気持ちが悪いです。

2016年アメリカの大統領選挙で、
いわゆる偽ニュースが社会問題になりました。
このため北欧のメディアなどでは今年から
伝統となっていたエープリルフール記事を
自粛するようになったとか。サミシイ話ですね。

                遅足

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四月馬鹿結婚記念日としました  すみ

2017年05月07日 | Weblog

四月馬鹿結婚記念日としました…
騙されてお祝いをくれた人はいましたか?
これも”四月馬鹿らしい”四月馬鹿”と等さん。

この句は、4月1日に結婚された御夫婦を詠んだもの。
この日なら忘れることはないから、と。
記念日を忘れて叱られたという話も聞きます。
案外、良いかも知れません。
四月馬鹿という季語にもユーモアが感じられます。

          

あなたの結婚記念日はいつでしょう?
私は11月23日。勤労感謝の日です。
この日を忘れることはまずありません。
プレゼントはありませんが、お赤飯で祝います。

人生のなかでも大切な記念日の一つ。
4年目のプレゼントは花だそうです。
ちなみにドイツでは10年目が薔薇。
フランスでは、同じ薔薇でも17年目だそうです。

今年の記念日には食卓に薔薇を飾ろうかな・・・

                 遅足
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無駄飯を笑ひ飛ばして四月馬鹿    静荷

2017年05月06日 | Weblog
無駄飯喰い、という言葉がありました。
働きもせずにご飯ばかり食べる、という
否定的な意味あいの表現です。

姨捨山の話にあるように働けなくなった老人は
無駄飯と言われていた時代がありました。

作者は無駄飯がなにが悪い!
と笑い飛ばしています。
四月馬鹿という季語も笑っているようです。

          

高齢化社会は、何時しか高齢社会に。
そして少子化で今は少子高齢社会。
政策の重点も高齢者対策から、少子化対策へ。
子供たちが大切にされているようです。
しかし何処かヘンです。
労働力としての価値でしか見られていないような・・・
こうした風潮の背景には経済第一主義があるようです。
効率最優先。いのちもお金次第・・・といった。

昔話などには、ものぐさ太郎や三年寝太郎のように
無駄飯食いの男が大活躍をするというものがあります。
この世に無駄なものはない、と言った先人の深い智恵。
これが作者が四月馬鹿で表現したかったことかも。

                  遅足
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「韓国船水難救護の記録」の波紋~竹中敬一~

2017年05月05日 | Weblog
福井県小浜市泊地区の人たちが平成9年にまとめた「韓国船水難救護の記録」
の資料集はその後、韓国の人の目にもとまりました。
ソウル在住で日本の地方自治を研究している鄭在吉 (チョンジェキル)さんは、
平成10年、たまたま小浜市を訪れた際、知人宅で資料集と出会いました。

この話に感動した鄭さんは、何とか日韓両国で後世に伝えて行きたいと考え、
大森和良さんら「泊の歴史を知る会」のメンバーと会いました。
そして、鄭さんの提案で丁度、事件から百年目に当たる平成12年、泊地区で
「日韓百年目の再会」と名付けた記念行事を実現させました。
私もこの催しをビデオカメラで撮りながら、取材。鄭さんにもインタビュー
しました。
鄭さんは 、概ね次のように語りました。
「韓国には悲しい歴史、忘れてはいけない歴史があります。韓国併合、
南北分裂、朝鮮戦争です。しかし、どんな状況下にあっても、民衆同士の
血の通った交流があります。歴史の舞台には登場しませんが、民衆の心は
国境を越えて、繋がっています。」

鄭さんと私は、かなえたい願いが一致しました。
それは、北朝鮮にいるにちがいない救護された時の子孫と泊村の人たちとの
対面です。
インタビューの後、鄭さんが私に密かに語った言葉が忘れられません。
「救護された93人は全員、朝鮮半島の北部、つまり今の北朝鮮の人たちです。
今はその子孫に会いたくとも、会えません。
しかし、私は何とか手を尽くして、救護された人たちの子孫が住む北朝鮮の
咸鏡北道へ行ってみたいと思っています。実現したら、必ず連絡します。」

もう、あれから16年になります。この間、南北朝鮮の対立は当時より更に
厳しくなっているようにさえ思われます。
鄭さんからの連絡は途絶えたままで、この物語をドキュメンタリーとして、
取材してきましたが、頓挫してしまいました。
記念行事のあった平成12年には、テレビや新聞も二ユースとして取り上げて
いましたが、その後、この韓国船水難救護の話は時とともに風化してきています。

しかし、金正恩体制のもととはいえ、昔から儒教を尊んできた民族です。
「萬世不忘之恩」、韓国人救護の話は、語り継がれているに違いありません。
今、朝鮮半島は緊迫した状況にありますが、このささやかな国境を越えた
人間愛の物語が緊張を解す何かの役に立てば、と願っています。


写真は、倉谷村長宛の韓国人の礼状(「倉谷善右衛門回顧録」より)


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ミニ盆栽は爆発だ!    麗

2017年05月04日 | Weblog
大型連休いかがお過ごしですか?

昨日、会社の先輩が出展されているミニ盆栽展を見に行きました。

小さな世界で宇宙を表現するミニ盆栽。奥が深そうです。
その先輩は三年前から新たな趣味としてミニ盆栽に夢中になり、年二回作品展に出展するほどに。
ミニ盆栽を飾る台も手作りで引き出しもあります。ちょこんと乗っているミニチュアフィギュアはあの岡本太郎さんの太陽の塔です。
先輩曰く「ミニ盆栽は爆発だ!」

若葉の美しいグリーンピア春日井で7日まで行われています。ミニ盆栽の小宇宙を観賞してみてはいかがでしょうか?

          手のひらの小さき新緑無限大   麗

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手をつなぎ逆向き歩行四月馬鹿   立雄

2017年05月03日 | Weblog
一読、最近の世相を詠んだ句と思いました。
赤信号みんなで渡れば怖くない!
もっと昔には、逆コースという言葉もありました。
この逆コース、ついに9条の改定。
戦争の出来る国へと改憲という最後の段階に。
今日は憲法記念日。
戦争はしない、という決意を思い起こす日です。

         

作者は目が見えません。
奥さんと手を繋いで散歩に。
足の筋肉を鍛えるには後ろ向き歩行が効果的。
そして、この句が生れました。
               遅足
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店頭に風の缶詰四月馬鹿  亜子

2017年05月02日 | Weblog
空気の缶詰が売りに出されたことが・・・
確か、あったような気がします。
それを「風の缶詰」と命名して句に詠む。
そのセンスに感心しました。

しかし、事実は小説よりも・・・。
ウソではなくホントの話だそうです。
売っていたのは越中・風の盆の里。
富山人の商才には、恐れ入りました!

        

今では水にお金を払うのに抵抗はありませんが、
最初に日本で水が売りに出された時は驚きました。
確かに、関西の水は臭いもあり、オイシクありませんでした。
これなら水を買うのもありかと、頷けました。

私の飲んでいる名古屋の水は、木曽の水ですが、
そのオイシイを、この時に初めて知りました。

                 遅足





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毎日が四月馬鹿なり母老いて   佐保子

2017年05月01日 | Weblog
一年に一度、ウソが許されるのが四月馬鹿。
毎日が四月馬鹿ということは・・・?
ウソが嘘でなくなる。いや、ウソもホントもない世界。
ひょっとして認知症?

生まれたばかりの子どもにはウソもホントもありません。
お母さんは、子どもにかえってしまったようです。

           

  初のネコ&イヌ専用車がついにデビュー。
  ネコ専用車「NYANK」とイヌ専用車「WAN WAN CRUISER(通称:ワンクル)」
  いよいよ本日発売に。先行特別試乗会の模様をぜひご覧ください!

これはトヨタのエイプリルフールのPRだそうです。
こんな四月馬鹿なら楽しくて良いですね。       遅足

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