575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

無駄飯を笑ひ飛ばして四月馬鹿    静荷

2017年05月06日 | Weblog
無駄飯喰い、という言葉がありました。
働きもせずにご飯ばかり食べる、という
否定的な意味あいの表現です。

姨捨山の話にあるように働けなくなった老人は
無駄飯と言われていた時代がありました。

作者は無駄飯がなにが悪い!
と笑い飛ばしています。
四月馬鹿という季語も笑っているようです。

          

高齢化社会は、何時しか高齢社会に。
そして少子化で今は少子高齢社会。
政策の重点も高齢者対策から、少子化対策へ。
子供たちが大切にされているようです。
しかし何処かヘンです。
労働力としての価値でしか見られていないような・・・
こうした風潮の背景には経済第一主義があるようです。
効率最優先。いのちもお金次第・・・といった。

昔話などには、ものぐさ太郎や三年寝太郎のように
無駄飯食いの男が大活躍をするというものがあります。
この世に無駄なものはない、と言った先人の深い智恵。
これが作者が四月馬鹿で表現したかったことかも。

                  遅足
コメント
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