575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

熱田の森は宝の山   竹中敬一

2017年05月19日 | Weblog
この5月8日、名古屋の熱田神宮に伝わる年中行事の一つ「豊年祭」を見に行って来ました。
別名「花の撓」、撓(とう) は稲穂などが「撓う(しなう)」つまり、豊年を意味しているようです。
2年前にも、同じ日に行きましたが、このシーズン、熱田の森は新緑の薫りにつつまれ、
すがすがしい気分になりました。

西楽所(おためし所)に神官が造った畑所(はたけどころ)と田所(たどころ)を模した飾り物を見て、
その年の農作物の出来、不出来を占うのが「花の撓」です。

昭和30年代、私が名古屋のテレビ局にいた頃、この「花の撓」を二ユースで取材に行きました。
その時は西楽所前の広場は、近郷近在から訪れた農家の人たちで埋め尽くされてました。
熱田神宮発行の月刊誌「あつた」の昭和27年6月号には「…早朝から待ちかねた人たちが
たちまち黒山を築いた。" 綿の出来が好いから日照りに十分だ。"" 風の心配はどうかな"と
例年通りの真剣な評定が始まる。…この日、お詣りの人々約28万人…」とありました。

毎年「花の撓」は、5月8日から13日まで行われますが、今は初日でも訪れる人はまばらでした。
しかし、熱田神宮のすごいところは、どんなに時代が変わろうとも、特殊な神事を伝統に従って、
正確に伝えてきている ところです。
「花の撓」の他にも、「世様(よだめし)神事」「踏歌(とうか)神事」「酔笑人(えようど) 神事」
など、古くから伝わる数々の珍しい神事が残っている神社は極めて珍しいのではないでしょうか。

名古屋城も結構ですが、熱田神宮に伝わる年中行事も世界に誇れる文化遺産だと思います。
私も少し熱田神宮について勉強しようと思い、「花の撓」の由来を調べることにしました。
次回にお伝えします。

写真は、熱田神宮の「花の撓(とう)」(5月8日 撮影)


コメント
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