575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

火の粉あびどよめく闇やお水取り  晴代

2021年03月18日 | Weblog

竹葉さんとともにトップ賞をとった晴代さんの句。

まさにお水取りの情景をよく捉えた一句です。中七の「どよめく闇」から「あ~」という歓声も聞こえて来るようです。

この句へのコメントをご紹介します。

竹葉さん:今年のお水取りは人数制限があるようですが、大松明を見る人はきっと火の粉を浴びてどよめき、更にその場の雰囲気を盛り上げるのではないかと想像される臨場感のある句だと思います。

能登さん:この行事のクライマックス(但し、一見の観光客が見物できるものの中のクライマックスのようですが)を的確に表現している佳句。

泉さん:火の粉を浴びると人々のどよめく声が闇の中から聞こえる。

郁子さん:お水取りを実際に見たことのない私は勝手におごそかな儀式と思ってしまいましたが

   実はとても動的なものでした。どよめく闇がうまく言いあらわしている。

千香子さん:お水取りを見たときの印象そのままです。特に闇に燃える炎が原始の火に見えました。

亜子さん:◎「どよめく闇」という表現がまさに臨場感にあふれている。

今年はコロナの感染拡大防止のため無観客で行われたお水取り。今年は二月堂周辺のどよめく闇はありませんでしたが、始めて生中継されました。古くから疫病退散、無病息災を願い1270年も続いてきた奈良の伝統の行事を見て改めてその闇の深さやこの儀式の奥深さを知った感じです。一度はそのどよめく闇の中に身を置いてみたいものです。

今回の句会ではお水取りの専門用語のような難しい言葉がいくつか出て来ました。少しずつ勉強していきたいと思います。麗子

 

 

 

 

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3月句会結果です

2021年03月17日 | Weblog

兼題「お水取り」

  1. ひとひらのひかりにはじまるお水とり (遅足)等 麗子 能登 泉 晴代
  2. 松明や火の粉舞う春二月堂 (泉)等 遅足
  3. 火の粉あびどよめく闇やお水取り (晴代)等 能登 泉 郁子 千香子 亜子 竹葉
  4. 火の匂ひ水の香りやお水取り (亜子)結宇 
  5. お水取り 香<かぐわ>し水に 想い秘め (殿) 竹葉 紅
  6. お水取り 香水で割る 酒旨し (紅)殿 千香子
  7. 暁闇を虫這い出づるお水取り (竹葉)結宇 須美 晴代 遅足 郁子 千香子 紅
  8. 海超えて韃靼の名聞くお水取り (結宇)殿 遅足 佐保子 紅
  9. お水取り古都には楢の原生林 (千香子)佐保子
  10. 水取や宿の戸口に鹿朝寝 (等)須美 麗子 能登 佐保子
  11. お水取り天平の火の降りそそぎ (麗子)結宇 亜子
  12. お水取り天平僧の息づかい  (郁子)泉
  13. お水取り青衣(しやうえ)の女人のまぼろしや(佐保子)竹葉 郁子
  14. お水取り懺悔悠久練行衆 (須美)麗子 晴代
  15. 大川小の悲鳴が聞こゆ修二会かな (能登)須美 亜子

自由題

  1. 三月のかもめ並んで黙祷す (能登)結宇 等 竹葉 麗子 泉 佐保子 亜子
  2. 亡き夫の日記の余白余寒なほ(亜子)須美 能登 遅足 郁子
  3. ふと消えて千鳥足跡友の訃や (等)晴代 千香子
  4. 満開の白梅(しらうめ)を見ず旅立ちぬ (麗子)能登 泉
  5. ジグゾーパズルの1ピース欠く花の冷え (千香子)竹葉 紅
  6. 竹林でコツンとあたる春の音 (泉) 晴代 郁子
  7. ハブラシを咥えて庭へ春隣 (遅足)須美 佐保子 亜子
  8. 好奇心 ベクトル伸びて 風光る (殿)紅
  9. 雨上がりたんぽぽぽっと黄太陽 (竹葉)結宇
  10. 麗かや園児弾んで汽車ぽっぽ (須美)遅足 千香子
  11. 桜樹に園児集えば赤子泣く (結宇)
  12. 職人の一枚脱いでうららけし (郁子)等 須美 麗子 晴代 亜子
  13. 白木蓮空水色の真昼なり (晴代)等 麗子 遅足 佐保子 
  14. この庭や有楽椿(うらくつばき)のさはに落つ (佐保子)竹葉 千香子
  15. 陽だまりは 春の襁褓<むつき>に 集まりて (紅)結宇 殿 能登 泉 郁子
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大川の 子らに遺書なき 春の海 <殿>

2021年03月17日 | Weblog

「三月の かもめ並んで 黙祷す」「満開の 白梅を見ず 旅立ちぬ」「 ジグゾーパズルの 1ピース欠く 花の冷」

東日本大震災を暗喩する句に思われます。私は炊き出しやイベントの企画者として参加しました。イベントの最後は手筒花火。大川小の子に想いは届いたでしょうか。あらためてご冥福をお祈り申し上げます。

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お水取り句会

2021年03月16日 | Weblog

3月13日未明、奈良東大寺二月堂で行われる修二会の中の行事。

今年はコロナ禍で観光客の姿はなくテレビで生中継というお水取りでした。

皆さんの投句をご紹介します。結果も揃いましたがしばしお待ちください。

兼題「お水取り」2021,3月

①      ひとひらのひかりにはじまるお水とり 

②      松明や火の粉舞う春二月堂 

③      火の粉あびどよめく闇やお水取り 

④      火の匂ひ水の香りやお水取り 

⑤      お水取り 香(かぐわ)し水に 想い秘め 

⑥      お水取り 香水で割る 酒旨し 

⑦      暁闇を虫這い出づるお水取り 

⑧      海超えて韃靼の名聞くお水取り 

⑨      お水取り古都には楢の原生林 

⑩      水取や宿の戸口に鹿朝寝 

⑪      お水取り天平の火の降りそそぎ 

⑫      お水取り天平僧の息づかい  

⑬      お水取り青衣(しやうえ)の女人のまぼろしや

⑭      お水取り懺悔悠久練行衆 

⑮      大川小の悲鳴が聞こゆ修二会かな 

 

 

自由題

①      三月のかもめ並んで黙祷す 

②      亡き夫の日記の余白余寒なほ

③      ふと消えて千鳥足跡友の訃や 

④      満開の白梅を見ず旅立ちぬ 

⑤      ジグゾーパズルの1ピース欠く花の冷え 

⑥      竹林でコツンとあたる春の音  

⑦      ハブラシを咥えて庭へ春隣 

⑧      好奇心 ベクトル伸びて 風光る 

⑨      雨上がりたんぽぽぽっと黄太陽 

⑩      麗かや園児弾んで汽車ぽっぽ 

⑪      桜樹に園児集えば赤子泣く 

⑫      職人の一枚脱いでうららけし 

⑬      白木蓮空水色の真昼なり 

⑭      この庭や有楽椿(うらくつばき)のさはに落つ 

⑮      陽だまりは 春の襁褓(むつき)に 集まりて 

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つぶやきは 砕け波間に 春の泡 <殿>

2021年03月14日 | Weblog

鎌倉は故郷の海。材木座から稲村ガ崎ごしに眺める富士山は絶景です。思わず声が出たので句にしました。サーフィンは材木座の海岸で学びました。ある夏の朝、サーフィンを終え海にあがると老人が手を振っています。長身の紳士は笠智衆氏。当時、大船撮影所で仕事をご一緒させていただいておりました。寡黙な方で、父親がご住職だったと聞いた記憶があるのみ。彼は北鎌倉駅前の「光泉」という稲荷寿しが大の好物。笠智衆。鎌倉の正福寺にて永眠。享年88歳。

Kamakura is the sea of ​​my hometown. The view of Mt. Fuji from Zaimokuza over Inamuragasaki is superb. I made a phrase about the voice that came out unintentionally. I learned surfing on the coast of Zaimokuza. An old man is waving as he rises from surfing to the sea on a summer morning. The tall gentleman is Chishu Ryu. At that time, I was working with him at the Ofuna studio. He is a quiet person, and I only remember hearing that his father was a priest. He loves Inari sushi called "Kousen" in front of Kita-Kamakura station. Mr. Chishu Ryu. Eternal sleep at Shofukuji Temple in Kamakura. He is 88 years old.

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「シリウスや 五百光年 鼓見ゆ 」 <殿>

2021年03月13日 | Weblog

シリウスはオリオンで最も明るい恒星。日本では鼓星と呼称。季違い。お許しください。

私はミッション系で学びました。しかし、教会で下手なオルガンを弾く程度。真の信者とはいえません。同句会のK氏は敬虔なクリスチャン。YMCAで英語の習得を狙う似非信者と私を揶揄するのも当然でしょう。日本は些少ですが儒教文化が移入されています。そのため、老父老母を養うのは子の務め。しかし、キリスト教では子は、神から授かり社会へ送りだすのが親の義務。幼児であっても親と寝所を別にします。そのため、欧米で老後に同居する事例を見たことがありません。子に個室を与え親子の交流を失い「ニート」<Employment or Training>が生まれたのは、キリスト教の慣習をカタチだけ取り入れた結果でしょう。近年は、家族が集まるCMが人気との由。ウェディング、ヴァレンタインのような宗教の商用利用に終わらないことを期待します。

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わすれ雪うれしさつらさふりつもる  能登

2021年03月12日 | Weblog

 

昨日は東日本大震災から10年ということで、TV各局特集が組まれ、

当時の映像を見ながら改めてその悲惨さや、当たり前の日常がいかに脆いものかを再認識しました。

またこの思いをつないでいこうという大勢の人の心に感動も覚えました。

そして今日12日は、名古屋空襲。

1945年の今日、名古屋の市街地にも無差別の大規模な空襲をうけ、戦局がさらに激化していくことになります。

風化させぬためにも、鎮魂の祈りを捧げていきたいと思います。

 

この句に対しての感想です。

「わすれ雪」は春の半ばに降る最後の雪だそうですが、”うれしさつらさ”とは美しい情景ですね。(等さん)

 

今年の冬も終わろうとしている。いろんなことがあった様子がわかる。(泉さん)

 

 人生そのものだと感じました(竹葉さん) 

 

 シンプルながら、しみじみと奥深い味わいが広がっていくこの句は

「雪」のみ漢字表記で、あとはひらがなです。イメージとしてふりつもる雪は柔らかであろうと連想されます。

そして雪はやがて消えていく。こころのうちに受け入れられて静かに溶けていきます。

こころが時を刻む速度はひとそれぞれですが、

つらさの先にあるうれしさはかけがえのないもので、ひときわ光を放つのではないでしょうか。郁子

 

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紅のなほあたらしき泪壺  遅足

2021年03月11日 | Weblog

この句に触れた時、泪壺という言葉がどこか神秘的で、作者は深い悲しみの中におられるのだと感じました。

選句された方のコメントです。

能登さん:涙壺がドラマを感じさせ、想像が膨らんでいきます。

等さん:この句のポイントは「泪壺」で、季語も兼ねていると思うですが、歳時記にはありませんでした。でも良い句だと思いますので頂きました。

千香子さん:季語がないので迷いました。でも最後まで気になったので選びました。大きな悲しみを抱えて涙に暮れている様子が伝わってきます。しかも紅涙を絞るような悲しみ、紅がインパクトがありました。

作者の遅足さんに句の背景をうかがってみました。

「人は誰でも涙を流します。心が動いた時には。その程度は人、時によってさまざまです。

 

涙のことを紅涙といいます。私はくれないにあまりこだわるつもりはありません。

 

なほあたらしきというのは、人はいつも新鮮な気持ちで物事に接していれば、感動はいつも新鮮なものであるということです。

 

この句はふつうのことをふつうに表現し、なほあたらしきとしたところがちょっとどうかな?賛否わかれるところです。 遅足」

 

さすが、主宰です。奥の深い言葉です。遅足さんはリハビリを再開されたそうです。ブログは佐保子さんも読んでくださっているとのこと。皆で応援しています。

そして今日はあの東日本大震災から10年です。泪壺が枯れることはありません。麗子

 

 

 

 

 

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リラ冷えや *Les Jeux Grenierの カフカかな <殿>

2021年03月10日 | Weblog

私は海外を旅してきました。印象深いのはインドのムンバイ。雨の朝、安宿の前に痩せこけた少女が倒れています。しかし、すでに亡くなっていました。日常的な事象なのでしょう。気にする人などいません。私の死生観が大きく変わる旅となりました。南青山のいきつけのカフェ「レジュ」今宵はカフカの本です。さて、思索の旅へと出かけましょうか....。「屋根裏部屋の遊び」という南青山のカフェ。 *Les Jeux Grenier <レジュグルニエ>   写真と文<殿>

I have traveled abroad. Impressive is Mumbai, India. On a rainy morning, a skinny girl is lying down in front of a cheap hotel. But she had already died. It's a daily event. No one cares. It was a journey that changed my view of life and death. Minami Aoyama's favorite cafe "Les Jeux Grenier" This evening is Kafka's book. Well, let's go on a meditation journey.

 

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嫗<おうな>棲む 仮寓の庭に 紅椿 <殿>

2021年03月10日 | Weblog
 
「嫗<おうな>棲む 仮寓の庭に 紅椿」
Red camellia in the garden of the temporary palace where you live.
 
南青山の根津美術館前から六本木への道。狭い坂道を降りていきます。しかし、昔からあった家が見当たりません。たしか、老夫婦がお住まいになっていた筈。代わりに簡素な平屋が建っています。庭では奥様が庭木の手入れをされていました。奥様に声を掛けると、ご主人は鬼籍入りしたとの由。数多な庭木も手入れがいるので撤去されたそうです。しかし、ご主人の好きな紅椿は残したまま。坂下に広がる六本木の街並み。淡く霞んで見えました。

写真と文<殿>

The road from the Nezu Museum of Art in Aoyama to Roppongi. I will go down the narrow slope. However, I can't find the old house. Certainly, the old couple should have lived there. Instead, a simple house is built. In the garden, his wife is grooming the garden trees. I called out to his wife. My husband died. The garden trees are also in good condition, so they are likely to be removed. However, it seems that he left behind his husband's favorite red camellia. The cityscape of Roppongi spreading down the slope. It looked pale and hazy to me.

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菜の花忌 蹴散らすリニア 夢過ぐる <殿>

2021年03月10日 | Weblog

伊豆急の車窓より菜の花を見ました。ちょうど、稲取のあたりでしょうか。雨上がりということもあり、山吹色が洗われたように鮮やか。212日は司馬遼太郎の命日「菜の花忌」です。数年前、東大阪の煩雑な商店街を抜け司馬遼太郎の記念館を訪れたことがあります。彼はタンポポや菜の花といった黄色い花を好み、金属の小さな丸缶に花の種が入った土産を買い求めました。司馬遼太郎の著書「太郎の国の物語」美しい日本の自然への冒涜ともいえる破壊。日本は国民一人当たり800万近い借金があるとの由。自然を破壊し、借金を重ね、その先にあるリニアとは

写真と文<殿>

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「色褪せる 五輪ポスター 春立ちぬ」 <殿>

2021年03月09日 | Weblog
 
世界ではコロナウイルスにより242万人の方が亡くなっています。オリンピックの開催より、いま、するべきことがある気がします。The coronavirus has killed 2.42 million people worldwide. I think there is more work to be done now than the Olympic Games. Johns Hopkins University, USA 2021.2.18.
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蟇(ひき)穴を出てコロナ禍に合掌す  亜子

2021年03月09日 | Weblog

3月5日は啓蟄でした。同じような季語に「蛇穴を出る」や「地虫穴を出る」といった春の季語があります。冬眠していた蛇や虫が暖かくなると穴を出て来ます。個々の名をつけて「蟻穴を出ず」や「蜥蜴出ず」などと言うそうです。この句の蟇も「ひき」だけなら夏の季語ですが、「穴を出る」がついたことで春の季語になりました。さすが、季語に詳しい亜子さんです。

さて、この句は時事句です。コロナ禍に翻弄される私たち人間。世界中で多くの死者が出ています。

土の中にいた蟇蛙も地上に出て来て、全ての人間がマスクをしている異様な光景に驚いたのではないでしょうか?そして死者を悼み、前足をすり合わせて合掌したかのように見えたのかも知れません。

選句された竹葉さんからも

「蟇が長い冬眠から覚めてでてきたらまだコロナ禍の世で今にぴったりですね。」というコメントをいただきました。

少しずつ感染者が減って来て嬉しいですが、お花見などまだまだ気を緩めてはいけませんね。

来年の春には穴から出てきた蟇蛙が「人間が皆マスクをしていない!」とびっくりするような世の中になってほしいですね。麗子

 

 

 

 

 

 

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「友見舞い 句帳の隅に 花みつけ」 <殿>

2021年03月08日 | Weblog

友人が見舞いに置いていった句帳。句帳の隅に小さな花が添えてありました。75歳で夫婦の死別率は60%を超えています。日本はすでに「高齢多死社会」を迎えているといっても過言ではないでしょう。同句会のK氏も高齢で一人暮らし。お電話もメールの返信もないのでお伺いしました。やはり、ご体調が優れないようで、さらにコロナも怖く引きこもり状態との由。句会諸氏のご心配もあるかと思い記させていただきました。私事となりますが、麻痺により半盲。クルマの運転が怖くわずかな段差で転倒。予想外の展開に戸惑います。諸行無常を痛感する春となりました。

写真と文<殿>

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「軽井沢の思い出

2021年03月07日 | Weblog

大原富枝<おおはらとみえ>1912年 高知県長岡の生まれ。結核のため高知市内の女学校を中退。病気療養中に文筆活動を始め「宝文館」という女性雑誌に小説を発表したことから本格的な文筆活動に専念していきます。1957年「ストマイつんぼ」で女流文学賞を受賞。そして岩下志麻主演により映画化された「婉という女」で毎日出版文化賞と野間文化賞を受賞。広く知られることになります。

「従ひて 行きとどまれば 山の上に物の音なく 月澄みわたる」<富枝>

1976年 カトリックの洗礼を受け「彼もまた神の愛でし子か」インド詩人プリヤンバダ・デーヴィーの交流を描いた「ベンガルの憂愁」など、哲学と宗教的な視点からの作風へと移行していきます。1990年 勲三等瑞宝章を受賞。そして、故郷の高知県本山町に「大原富枝文学館」が開設されます。今回は句でなく短歌をご紹介させていただきます。

「うかららを 恃まず生きて来し 吾のさびし大方の 苦にたぢろがず」<富枝>

実は、大原家は親族です。大原富枝の軽井沢の隣家は遠藤周作邸。当時の軽井沢には、阿川弘之、北杜夫、佐藤愛子など若き執筆家が揃い、文学論などにぎやかに交わされていたようです。私の父はあららぎ派に傾倒。斎藤茂吉の短歌について北杜夫と論じたようです。さらに、私事となりますが、このグループに私の母もいて父と馬術を通じ結婚に至ります。ちなみに、私の母は、中部日本放送の女性アナウンサーに合格。しかし、娘の一人暮らしを嫌った祖父の反対により入社は叶いませんでした。

 

遠藤氏は、夏季になると旧軽の庭先で執筆されることが多く、長時間熟孝される姿に感動した記憶があります。大原家では「三郎」という犬を飼っていて、大原富枝 著「三郎物語」中文庫刊でエッセイ化されています。三郎は遠藤邸へひとりで遊びにいくことが多く明るい性格の遠藤周作氏が好きだったのかもしれません。万平ホテルから始まるジョンレノンとの親交など、私にとって軽井沢は忘れ得ぬ思い出の地となっています。

「命終のまぼろしに 主よ顕ち給へ病みし一生を よろこばむため」<富枝>

大原富枝。山深い故郷の高知県本山墓地があります。享年87歳。

私事となりますが、麻痺が発症。投句と選句は続けさせていただきますが、拙文の継続に自信がありません。そのため非定期とさせていただきます。何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。また、誰でも自由に意見や投句できる「俳句研究会」を主宰しています。「575の会」諸氏のご参加をお待ち申し上げております。https://www.facebook.com/groups/230678158521039

構成と文<殿>

"Memories of Karuizawa"

Tomie Ohara Born in Nagaoka, Kochi Prefecture in 1912. She dropped out of a girls' school in Kochi because of tuberculosis. She started writing while she was being treated for illness, and since she published a novel in a women's magazine called "Hobunkan," she will concentrate on her full-scale writing activities. She won the Women's Literature Prize for "Streptomycin" in 1957. And she won the Mainichi Publication Culture Award and the Noma Culture Award for "En toiu onna", which was made into a movie starring Shima Iwashita. She will be widely known.

"If you stay obedience, the moon will clear on the mountain without sound."

She was baptized in Catholicism in 1976 and she "is he also a child of God's love?" Her philosophical and religious perspectives, such as "Bengal's Melancholy," which depicts the interaction of the Indian poet Priyanbada Davy. I will shift to her style from. She was awarded the Order of the Sacred Treasure in 1990. Then, "Ohara Tomie Literature Museum" will be opened in her hometown of Motoyama Town, Kochi Prefecture. This time she will introduce her tanka instead of her phrase.

"I've lived without any regrets, and I'm lonely, and I'm suffering from most of the suffering."

In fact, the Ohara family is a relative. The house next to Karuizawa in Tomie Ohara is Shusaku Endo's residence. At that time, Karuizawa was filled with young writers such as Hiroyuki Agawa, Morio Kita, and Aiko Sato, and it seems that literary theory was lively exchanged. My dad is devoted to the rough sect. He seems to have discussed Mokichi Saito's Tanka with Morio Kita. In addition, personally, my mother is also in this group and she marries her father through equestrianism. By the way, my mother passed the female announcer of Chubu-Nippon Broadcasting. However, her joining was not possible due to the opposition of her grandfather who hated her daughter living alone.

Mr. Endo often writes in the garden of the old Kei car in the summer, and I remember being impressed by his long-term filial piety. The Ohara family has a dog called "Saburo", which has been published as an essay in "Saburo Monogatari" by Tomie Ohara. Saburo often goes to Endo's house by himself and may have liked Shusaku Endo, who has a bright personality. Karuizawa has become an unforgettable place for me, such as the friendship of John Lennon starting from the Mampei Hotel.

"To the illusion of the end of life, Lord, to be sick of the salary and to make him happy for the rest of his life"

Tomie Ohara. There is a graveyard in Motoyama, Kochi prefecture, which is her hometown deep in the mountains. She is 87 years old.

She is a private affair, but she develops paralysis. She will continue to utter and select, but she is not confident in continuing my writing. She is therefore irregular. Thank you for your understanding. She also presides over a "Haiku Study Group" where she can freely comment and post. She looks forward to the participation of the "575 Association". https://www.facebook.com/groups/230678158521039

Composition and text

 

 

 

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