【まくら】
原話は、文化三年(1806)刊の笑話本「江戸嬉笑」所収の「茶菓子」。
大店の旦那が、息子に店を譲って、別宅でのんびり暮らしてる。
この旦那、別に物知りぶるわけではないのだが、知らないという言葉は使いたくない。
そのためにおこった悲喜劇が、この噺である。
ものが優雅な茶の湯であるだけに、これを知ったふりする隠居の態度がこの上ないおかしさをさそう。
おちも、なかなか気が利いている。
【あらすじ】
蔵前のある名家の旦那が、稼業を息子に譲り、自分は根岸の里に隠居をすることにしました。
この旦那さん、若い頃から働き者で通っており、遊びというものをご存じない。暇をもてあましていたところ、ちょっとお茶でも始めてみようと思い立ちました。
お茶を始めるといっても、右も左も分からないわけで、とりあえず青黄粉に椋の皮を煮立てて、なんとなく緑色で泡立っているものを作ってみます。
口受けには何がいいだろうと考えたあげく、甘藷をふかしたものを団子にして、黒砂糖と蜜をまぶしたものを考え出します。
この特製のお茶と団子で、近所の者を呼んでお茶会を開くわけですが、呼ばれた者も、まさか名家の旦那さんが茶の湯の素人だとは思わないわけで、目を白黒させつつ、結構な点前でとかなんとか口を濁すことになります。
旦那さんにしてみれば、そんなみんなの様子が面白くて仕方ありません。
毎日のようにお茶会を開きます。
そんなある日、昔からのお客が根岸に訪ねてきます。
旦那は、さっそくお茶を点て、もてなします。
それなりに心得のある客は、一口お茶を含んでびっくり。
吐き出すわけにもいかず、慌てて目の前にある団子を二つほどほおばったが、こちらもとても食べられたものではありません。
縁側に飛び出して、菓子を捨てようとしたが、一面の敷き松葉。
掃除が行き届いていて塵一つ落ちていません。
前を見ると、建仁寺の垣根ごしに菜畑が広がっています。
ここなら捨てても分かるまいと、菓子包みを放り投げたところ、ちょうど畑仕事をしていた百姓に命中。百姓はにやっと笑って、
「また、茶の湯をやってんな」
出典:出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』

【オチ・サゲ】途端落ち(決めの台詞で終わるもの)
【語句豆辞典】
【隠居】家督を譲って、職を離れて暮らすこと。またはそれをしている人。
【青黄な粉】ウグイス餅などにかかっている、青みを帯びた黄な粉。黄な粉は大豆から作る粉。
【椋の皮】ムクの木の皮で、煮ると泡が出る。
【建仁寺の垣根】太い竹を四つ割りにして並べ、シュロ縄などで縛った垣根。京都の建仁寺で始めたので、この名が付いた。

【この噺を得意とした落語家】
・三代目 三遊亭金馬
・六代目 三遊亭円生
【落語豆知識】 「古典落語」
一般に江戸時代から明治時代に作られたものを指す。
それよりも新しい時代に作られた演目は、新作落語と呼んで区別される。
なお、創作落語は関西の落語家による造語であり文献によっても広く古典と対比されるのは新作とされる。

原話は、文化三年(1806)刊の笑話本「江戸嬉笑」所収の「茶菓子」。
大店の旦那が、息子に店を譲って、別宅でのんびり暮らしてる。
この旦那、別に物知りぶるわけではないのだが、知らないという言葉は使いたくない。
そのためにおこった悲喜劇が、この噺である。
ものが優雅な茶の湯であるだけに、これを知ったふりする隠居の態度がこの上ないおかしさをさそう。
おちも、なかなか気が利いている。
【あらすじ】
蔵前のある名家の旦那が、稼業を息子に譲り、自分は根岸の里に隠居をすることにしました。
この旦那さん、若い頃から働き者で通っており、遊びというものをご存じない。暇をもてあましていたところ、ちょっとお茶でも始めてみようと思い立ちました。
お茶を始めるといっても、右も左も分からないわけで、とりあえず青黄粉に椋の皮を煮立てて、なんとなく緑色で泡立っているものを作ってみます。
口受けには何がいいだろうと考えたあげく、甘藷をふかしたものを団子にして、黒砂糖と蜜をまぶしたものを考え出します。
この特製のお茶と団子で、近所の者を呼んでお茶会を開くわけですが、呼ばれた者も、まさか名家の旦那さんが茶の湯の素人だとは思わないわけで、目を白黒させつつ、結構な点前でとかなんとか口を濁すことになります。
旦那さんにしてみれば、そんなみんなの様子が面白くて仕方ありません。
毎日のようにお茶会を開きます。
そんなある日、昔からのお客が根岸に訪ねてきます。
旦那は、さっそくお茶を点て、もてなします。
それなりに心得のある客は、一口お茶を含んでびっくり。
吐き出すわけにもいかず、慌てて目の前にある団子を二つほどほおばったが、こちらもとても食べられたものではありません。
縁側に飛び出して、菓子を捨てようとしたが、一面の敷き松葉。
掃除が行き届いていて塵一つ落ちていません。
前を見ると、建仁寺の垣根ごしに菜畑が広がっています。
ここなら捨てても分かるまいと、菓子包みを放り投げたところ、ちょうど畑仕事をしていた百姓に命中。百姓はにやっと笑って、
「また、茶の湯をやってんな」
出典:出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』

【オチ・サゲ】途端落ち(決めの台詞で終わるもの)
【語句豆辞典】
【隠居】家督を譲って、職を離れて暮らすこと。またはそれをしている人。
【青黄な粉】ウグイス餅などにかかっている、青みを帯びた黄な粉。黄な粉は大豆から作る粉。
【椋の皮】ムクの木の皮で、煮ると泡が出る。
【建仁寺の垣根】太い竹を四つ割りにして並べ、シュロ縄などで縛った垣根。京都の建仁寺で始めたので、この名が付いた。

【この噺を得意とした落語家】
・三代目 三遊亭金馬
・六代目 三遊亭円生
【落語豆知識】 「古典落語」
一般に江戸時代から明治時代に作られたものを指す。
それよりも新しい時代に作られた演目は、新作落語と呼んで区別される。
なお、創作落語は関西の落語家による造語であり文献によっても広く古典と対比されるのは新作とされる。


