![]() | でーれーガールズ |
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祥伝社 |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
漫画家の小日向アユコ(本名・佐々岡鮎子)は30年ぶりに高校時代を過ごした岡山県にやってきた。
母校の女子高で講演会をするためだ。 講演会前々日、この機会にと高校の同級生たちが同窓会を開いてくれた。
そこでアユコは30年ぶりに親友の武美と再会する。武美は母校の教師になっていた。アユコを招いたのも武美だという。
実は30年前、アユコと武美には忘れられない思い出があった。 1980年、
岡山――。東京から引っ越してきたばかりの佐々岡鮎子はクラスに友達がいない。
心の支えは、かっこよくてギターもうまい大学生の彼、ヒデホくんだった。ところが、二人を主人公に描いた恋愛マンガを、クラスの秋本武美に見られてしまう。
美人で勝気な武美に、鮎子はいつもからかわれていたのだ。しかし、武美は物語の続きを読みたがって……。かけがえのない友だちに会いたくなる、感動の物語。
◆著者について◆
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。
伊藤忠商事、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館に勤務後、キュレーターとして独立。2003年にカルチャーライターとして執筆活動を開始。
05年に共著で『ソウルジョブ』を上梓。06年、『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞、小説家としてデビュー。
『本日は、お日柄もよく』『風のマジム』『小説 星守る犬』『まぐだら屋のマリア』など多数。
【読んだ理由】
知人に薦められて。
【印象に残った一行】
女子高校生たちが使う岡山弁は、私の耳にはとても野性的に聞こえた。
「あんたは何を言いよるん?そねーなこと言いよったおえんが!」「でーれーあんごうじゃな」「ちばけんでよ」などなど、十六歳全員が長門勇になったかのような話し方になかなかついていけなかった。
けれどそのうちに、岡山弁の持つゆったりした語感、おおろかでのびのびした抑揚が心地よく感じられるようになった。
「そねーなことばあしょたたらおえんよ、あゆ」
「テスト早よう終わらんかなあ、早うかえって、テレイみてえわあ」
友人たちの発する言葉には、ほのぼのと川下りする春の船のようなのどかさがあった。岡山弁の輪に加わりたくて、めちゃくちゃな方言を使っていた時期もある。いちばん覚えやすくて使いやすい方言
「でーれー!」を連発して、ずいぶん笑われた。
【コメント】
最後の展開は予想外ででーれーことになった。
岡山とそれぞれの青春が愛おしくなる。
そう言えば長門勇も亡くなった。
英語名はFantastic Girls,Okayama,1980