キャリア妨害 | |
クリエーター情報なし | |
東京図書出版 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
職を失う危険の全くない彼らは、毎日のように仕事を先送りし、時代遅れの規則にとらわれながら「貴重な税金」を使い続けている―。民間企業では考えられない公立大学の恐るべき実態。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
菊地/達昭
1949年神奈川県に生まれる。1973年北海道大学法学部法律学科を卒業、NEC入社。2002年多摩大学大学院経営情報学研究科を修了。2005年NEC退職、Y大学へ転職。2011年Y大学を退職。
【読んだ理由】
仕事柄「キャりア妨害」という題名にひかれて。
【印象に残った一行】
私がY大学へ移って思ったことは、個々の人たちは「前例主義」、「形式主義、「性悪説」、「人件費はタダ」、「コスト意識ゼロ」という5つの考え方で仕事をしていることでる。
企業人であれば、民間ではこれとは全く正反対の考え方で行動していることに賛同いただけるものと思う・「前例は常に変えよ」、「形式にこだわるな」、「性善説」、「人件費が最も高い」、「コスト重視」である。
ここの人たちは自分たちがスタンダードであると考えている。このことが悲劇なのである。税金を負担している住民にとっては明らかに悲劇である。
減点評価主義が実施されていることによって、出来る限り前例に従って仕事を行う人間が減点されることもなく評価を受けて昇進・昇格している。それに加えて、強い年功序列による処遇制度は、自己の能力向上に対するインセンティブを失わせている、能力・スキルを上げることが評価される要素となっていない。これでは、誰も一生懸命勉強するはずはない。
現実を知らず、世の中の動きすら実感としての理解に欠ける。
Y大学の最大の被害者は学生である。明らかにキャリアに対する妨害を受けているからである。税金を負担する住民がこの実態に気づき、改革への「のろし」を上げなければならない。
【コメント】
私が想定した内容とは異なり、32年間民企業で仕事をした著者が、地方公務員と一緒に仕事をしてきて、地方公務員の仕事、考えていることが、いかに一般社会の常識とずれているかを告発した本である。、
偶然だが私も同様の環境にあり、現在著者と同様の数々の体験(例えば、交通費の請求は常に大学からなど)をし、毎日驚き、立腹している。
交通費の請求・・・ピンとこない方のために、補足させていただくが、家から10分のところに直出するのに、1時間かけて大学に行き、さらに1時間10分かけて目的の場所に行くというもの。彼らの原則は「交通費の請求は常に大学から」これが彼らの世界では常識なのだ。何たる非常識。この種の話はヤマとある。
多分全国の公務員は同様の実態であろう。多くの方に一読をお勧めし、tax payerとしてまず実態を理解してもらいたい。。