この国で自死と向き合う | |
クリエーター情報なし | |
ヒトリシャ |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
まるごと受けとめ、すぐそばに寄り添う。「同事行」が日本を救う。8000人の自死志願者を救ってきた「おせっかい和尚」の半生と「日本から自死をなくす方法」!
目次 : 1章 孤立を抱え込んだ若者たち/ 2章 利害親子/ 3章 「根本苦」と「社会苦」/ 4章 なぜ自死問題に取り組むのか/ 5章 断ち切られた家族のきずな―ひとりぼっちのおばあちゃん/ 6章 会社員が自死へと向かうとき/ 7章 「出口なし」という閉塞感/ 8章 憎しみと暴力の連鎖を断ち切る/ 9章 自死遺族に寄り添う/ 終章 僧侶は自死の問題とどう向き合おうとしているのか/ 追記 子どもや若者に「死を教える」ということ
まるごと受けとめ、すぐそばに寄り添う
「どうかその重い荷物を、一度肩から下ろしてください。そしてわたしにも背負える荷物なら、リュックのなかから取り出してわたしにも分けてください」(本文より)
http://lib.kurashiki-oky.ed.jp/
自死志願者の駆け込み寺として知られる千葉県・長寿院の住職、「おせっかい和尚」こと篠原鋭一師。自殺防止活動の最前線に立ち続けてわかる、日本社会を蝕む「無関心・無縁化」の実態とは? 毎年地方都市一つが消え去る数の自殺者を出し続ける先進異常国・日本を救う唯一の方法「同事行」とは? 実践の仏教者による渾身のメッセージ。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
篠原/鋭一
1944(昭和19)年、兵庫県豊岡市生まれ。駒澤大学仏教学部卒業。曹洞宗長寿院住職、曹洞宗人権啓発相談員、曹洞宗総合研究センター講師、「できることからボランティアの会」代表、NPO法人「自殺防止ネットワーク風」理事長。“生きること”“命とは”をテーマに全国で多数の講演を行う。また全国の小学校・中学校・高校で「いのちを考える課外授業」を展開中
【読んだ理由】
新聞の書評を読んで。
【印象に残った一行】
本当はもっと行きたいと思っているのに思いもよらない苦悩を背負わされて、精神的にすっかり八方塞がりの状態に追い込まれ、ほかに行き場がなくなって死を選ばざるを得なくなる。これが自死だ。
だから、わたしが取り組んでいることは、そんなに複雑で難しいことではない。
受けとめる、寄り添う、待つ、願う、祈る。
この五つを愚直に続けているだけだ。
憎しみを捨てて、相手が犯した罪を赦すというのは、大変難しいことだ。けれども憎しに縛られてそれを持ち続けるこ途と、憎しみを捨てて自由になることとでは、後者を選ぶほうがその人にとってはるかに幸福である。
土壇場の力とは、人の思いをどれだけきちんと感じとり、受け止められるかにっかっているのかもしれない。
わたしは「出口が見つからない」という思いを強く抱いている人に対しては「戦略と戦術を立てなさい」という言い方をよくする。
戦略、つまり目標である、着地点と言ってもいいだろう。目標を立てたら「、次に目標を実現するためにやらなくてはならないことを紙に書き出してみる。これが戦術である。
【コメント】
自ら命を絶つ人たちが14年連続で3万人を超えるような国に住んでいることを自覚するとともに、なぜ経済大国でこのような状況に陥ったのかを考えねばならない。
著者はその原因は、他者に対する無関心であるとしているが、私も置かれた立場でできることをやってみよう。