あかねさす・・・巻二・一六九 柿本人麻呂
あかねさす・・・巻二・一六九 柿本人麻呂
「あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠らく惜しも」
校訂原点(漢字)
「茜刺 日者雖照者 烏玉之 夜渡月之 隠良久惜毛」
現代語訳と解説
「あかね色をおびて日輪は今日も輝いているのだが、太陽にも似た皇子は、ぬばたまの黒々とした夜空を渡る月のように隠れてしまったことが惜しいよ」
六八九年、草壁皇子がお亡くなりになった時、柿本人麻呂が長歌とあわせて詠んだ反歌2首のうちの1首です。
「隠らく惜しも」の「惜し」とは、惜しいという意味ですが、「愛」と書いても「おし」と読みます。つまり、愛していなければ、惜しいとは思わない。この歌の場合、作者は、月に対して愛情があったことがわかります。月とは、ずばり、亡くなってしまった草壁皇子のことでした。
「日は照らせれど」の「日」とは天皇のこと。太陽が輝いている、それは皇位継承者が立てられ、後のことは心配ないという意味です。それでも、やはり皇子が亡くなられたことは残念で仕方がない。
この歌では、亡くなった皇子と後継者を月と太陽に例えることで、天皇家に対する賛美を歌っているのです。
あかねさす・・・巻二・一六九 柿本人麻呂
「あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠らく惜しも」
校訂原点(漢字)
「茜刺 日者雖照者 烏玉之 夜渡月之 隠良久惜毛」
現代語訳と解説
「あかね色をおびて日輪は今日も輝いているのだが、太陽にも似た皇子は、ぬばたまの黒々とした夜空を渡る月のように隠れてしまったことが惜しいよ」
六八九年、草壁皇子がお亡くなりになった時、柿本人麻呂が長歌とあわせて詠んだ反歌2首のうちの1首です。
「隠らく惜しも」の「惜し」とは、惜しいという意味ですが、「愛」と書いても「おし」と読みます。つまり、愛していなければ、惜しいとは思わない。この歌の場合、作者は、月に対して愛情があったことがわかります。月とは、ずばり、亡くなってしまった草壁皇子のことでした。
「日は照らせれど」の「日」とは天皇のこと。太陽が輝いている、それは皇位継承者が立てられ、後のことは心配ないという意味です。それでも、やはり皇子が亡くなられたことは残念で仕方がない。
この歌では、亡くなった皇子と後継者を月と太陽に例えることで、天皇家に対する賛美を歌っているのです。
皇室賛辞。それも皇子のことを太陽や月にた
とえての表現。この辺が作者の技巧を感じさ
せます。
さて、今朝は未明からの雷。それで目がさめ
ました(笑)。こちらはこれから雨が予報さ
れています。雪が一気に融ける気がします。
コメントが遅くなりました、お詫びします。
太陽と月、巧みな比喩ですね。
ところで当地は昨日は暖かな、妙にホットするような一日でした。