望郷 | |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
日本推理作家協会賞受賞!心に刺さる連作短篇集
島に生まれ育った人々の、島を愛し島を憎む複雑な心模様が生み出すさまざまな事件。推協賞短編部門受賞作「海の星」「みかんの花」「夢の国」「雪の糸」「石の十字架」「光の航路」全六編。
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
島に生まれ育った人々が織りなす、心の奥底を揺さぶる連作短篇集。日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作「海の星」収録。
http://blog.goo.ne.jp/admin/amazon/
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
広島県生まれ。2007年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。08年、同作を収録したデビュー作『告白』が刊行され、同年の「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第1位に選出、2009年第6回本屋大賞を受賞。2012年、「海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞
【読んだ理由】
告白」以来の著者作品。
【印象に残った一行】
抱かれることもなく、一日中転がされていたからだろうか。僕の古い記憶には空ばかりが残っているし、物心ついてからも空ばかり見上げるようになっていた。あの向こうへ行ってしまいたい。ぼんやりと浮かんだ思いは、空を見上げるごとに、強い願いへと変わっていった。(雲の糸)
暴力は体の外側から打撃を与えるだけではない。自分はいじめられっ子ではにのだと、うすら笑いを浮かべながらも何事もないかのようにふるまうことにより、ストレスが蓄積し、堀野さんからだは内側からも打撃を受けるようになった。
最初に腹痛が起きたのは、九月末、昼休みが終わった直後の掃除の時間だった。十五分耐えればいいのだと自分に言い聞かせたが、雑巾のように意を絞られるような痛みに手の指先と膝が震え出し、たまらずといれに駆け込んだ。(光の航路)
【コメント】
瀬戸内海に浮かぶ白綱島という閉鎖社会を舞台に六編のストーリーが繰り広げられる。愛すること、憎むこと、赦すこと、そして闘うこと。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます