阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

東日本大震災が起こった後「阿智胡地亭の非日乗」が掲載したエントリーから   [ 2011年04月12日(火)のブログ]

2023年05月17日 | 東日本大震災ブログ

 2011年04月12日(火)

宇宙船「地球号」の問題になったFukushima原発事故。
☆長い闘いが始まった。真の総力戦で対応するしかない。

一刻も早い収拾のため先日から実質的に噛みだした、アメリカ原子力関係部局の実務者からの強い進言をアメリカ政府高官が受けた。そしてアメリカ政府高官から日本政府に、実態を明らかにして現実に合わせた備えを総力で取るように働きかけがあったのではないか。

これまでの右往左往の有様の延長で素直に見ると、日本の中にレベル7に状態を認識し、それを主張し、発表にまで押し通すだけのリーダーシップを持つ政治家や高位高官の官僚や学者がいるようには見えない。

もし、日本人の誰かが身命をかけて今回の発表まで持ち込んだとしたら、ある意味嬉しい。そうであって欲しい。

しかし残念ながら、今の日本の政府・官僚・東京電力・学者には解決の当事者能力がないと見切られたように思える。(後で間違えていたとなって欲しい)

ちんたら、これまでのスピードでやってもらっては国境のない大気と海流に乗って、地球号全てを汚染する恐れがある核物質が拡散するとアメリカも恐怖を持ち、腹を決めた。

この発表が出た時点で従来以上に、アメリカの原子炉メーカーの技術者やアメリカ軍の核事故対応特殊部隊が日本の現場技術者集団とジョイントするだろう。(黒いネコでも白いネコでも今はネズミを捕るのが先決だ)

2011/04/12 13:39 【共同通信】

福島原発事故、最悪のレベル7 チェルノブイリと並ぶ 

経済産業省原子力安全・保安院は12日、東京電力福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で、最悪の「レベル7」とすると発表した。これまで放出された放射性物質の量について、保安院は37万テラベクレル(テラは1兆)、原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定。1~3号機の全体評価として、レベル7の基準である数万テラベクレルを大きく上回ったと判断した。

レベル7は、史上最悪の原子力事故とされる旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じ。保安院の西山英彦官房審議官は、これまでの放出量はその1割程度だとして「チェルノブイリとは相当異なる」と説明。だが東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、放出が止まっていないことを踏まえ「放出量がチェルノブイリに匹敵する、もしくは超えるかもしれない懸念を持っている」とした。

同原発は東日本大震災で、原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能が失われて燃料が一部損傷したと考えられ、水素爆発なども起きている。国内で前例のない大量の放射性物質が放出された。原子力安全委は、相当部分は3月15日に2号機の圧力抑制プール付近で起きた爆発に伴い放出されたとみている。

これまでの保安院の暫定評価はレベル5。保安院はレベル7にしたことで、現在の避難指示区域などを見直す必要はないとしている。

西山審議官は今回の事故では、チェルノブイリのように死者は出ていないと指摘し「原子炉圧力容器や格納容器は多少の漏れがあるが、原形をとどめて働いている。チェルノブイリ原発のように原子炉で大規模、継続的な火災が発生しているわけではない」と説明。国の専門委員会で今後、レベルを正式決定する。

枝野幸男官房長官は「周辺住民、国民、国際社会に申し訳ない」と述べた。東電は「事態を非常に重く受け止めている。原発周辺や県民の皆さまに大変な迷惑をかけ、深くおわびする」とした。

原子力安全委は、福島第1原発から最大で毎時1万テラベクレルの放射性物質が放出され、数時間続いたと試算。放出量はすでに毎時1テラベクレル以下になったとみているが、原発の北西約60キロ、南南西約40キロで、3月12日~4月5日の積算外部被ばく放射線量が年間限度の1ミリシーベルトを超えるとも見積もっている。避難や屋内退避指示が出ている区域でも高い線量が示された。

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【社会】
福島事故 最悪のレベル7 
2011年4月12日 13時36分東京新聞

東京電力福島第一原発の事故で、経済産業省原子力安全・保安院は十二日、1~3号機から大気中に大量の放射性物質が放出されたとして、原発事故の深刻さを示す国際評価尺度(INES)でレベル5としていた暫定評価を、最も深刻なレベル7に引き上げると発表した。
福島第一原発の事故は、原子炉が溶融後に爆発し大気中に大量の放射性物質が放出された旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(一九八六年)と並び、世界で二例目の最悪の原子力事故となった。
国内の原子力関係施設の事故ではこれまで、レベル4の東海村臨界事故(九九年)が最悪の評価だった。レベル5は、原子炉圧力容器の底に燃料が溶け落ちた米スリーマイル島原発事故(七九年)と同レベル。

保安院と国の原子力安全委員会は十二日、記者会見し、引き上げの根拠を「(1~3号機から)大気中に放出された放射性物質の総量」と説明した。
事故後の環境測定データや原子炉の損傷状況などを基に、放射性ヨウ素131とセシウム137の放出量を推計。ヨウ素131に換算して保安院は三七万テラベクレル(一テラベクレルは一兆ベクレル)、安全委は六三万テラベクレルとし、チェルノブイリ事故の総放出量五二〇万テラベクレルの「一割前後」とした。
INESでは、外部放出量が数万テラベクレル以上の場合、レベル7とされている。安全委の班目(まだらめ)春樹委員長は十一日に、一時間当たり一万テラベクレルの放射性物質が「数時間」放出されたとの見解を示した。現在は一時間当たり一テラベクレル以下になったとしている。

保安院は当初、1号機について「外部への大きなリスクを伴わない」レベル4とした。しかし、三月十八日に1~3号機の状況を、数百~数千テラベクレル相当の放射性物質の外部放出があったスリーマイル島事故と同じレベル5と暫定評価し直していた。
今回のレベル7への引き上げも暫定評価で、最終的な評価は、事故の原因究明と再発防止策がなされた後、専門家によるINES評価小委員会で行う。

■「不確か」と判定に1カ月

福島第一原発事故の国際評価尺度(INES)が最悪のレベル7とされた。大気中に放出された放射性物質の大半は三月十五日までに出ている。原子力安全委員会は同二十三日に推定値を公表し、ヨウ素131の総量はレベル7級の三万~一一万テラベクレルとしていたが、判定に至るまでに一カ月以上を要した。
放射性物質の拡散を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「スピーディ(SPEEDI)」は当初から稼働したが、政府は「データが不確か」として三月二十三日に一度公開しただけ。結果はヨウ素の総量が最大一一万テラベクレルという高い値だったが、INESはレベル5にとどめた。
安全委は「観測ポイントが三カ所しかなかった」と、信頼性が不十分だったと説明。観測ポイントを三十三カ所に増強し「確からしさが増した」として、レベル7に引き上げた。

チェルノブイリ原発事故に詳しい古川路明名古屋大名誉教授は「放射性物質の測定が十分ではなかった。放射線測定は積み重ねが大切。三月二十日ぐらいまでもっとちゃんと測るべきだったが、そういう努力が全然なかった」とデータ集めの体制が弱かったことが、判断を遅らせた可能性を指摘する。

十一日には政府から計画的避難地域が新たに公表された。だがスピーディでは、飛散した放射性物質のほとんどが事故後の数日間に出されたと推測。海外の研究所などからは、事故から一週間程度で「レベル7に相当する可能性がある」との指摘が出ていた。

京都大原子炉実験所の小出裕章助教は「防災はまず最悪から考え、徐々に解除していくのが原則。政府は安全安心を言いたいがため都合のいいデータだけ出して過小評価しようとした」と政府の姿勢を厳しく批判する。
(東京新聞)
太線は阿智胡地亭による。
 
そうなって欲しくなかった。
事故評価 最悪のレベル7へ

4月12日 4時12分 NHKニュース

東京電力の福島第一原子力発電所で相次いで起きている事故について、経済産業省の原子力安全・保安院は、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めました。

「レベル7」は、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

原子力施設で起きた事故は、原子力安全・保安院が、国際的な評価基準のINES=国際原子力事象評価尺度に基づいて、その深刻さを、レベル0から7までの8段階で評価することになっています。原子力安全・保安院は、福島第一原発で相次いで起きている事故について、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、INESに基づく評価を、最悪のレベル7に引き上げることを決めました。原子力安全・保安院は、福島第一原発の1号機から3号機について、先月18日、32年前にアメリカで起きたスリーマイル島原発での事故と同じレベル5になると暫定的に評価していました。レベル7は、25年前の1986年に旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。レベルが引き上げられる背景には、福島第一原発でこれまでに放出された放射性物質の量が、レベル7の基準に至ったためとみられますが、放射性のヨウ素131を、数十から数百京(けい)ベクレル放出したというチェルノブイリ原発事故に比べ、福島第一原発の放出量は少ないとされています。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

 
今朝の河北新報web版一面から
復興誓いスローガンや宣言発表 岩手、宮城両県知事(06:10)

地下鉄駅でテロ、11人死亡 ベラルーシ、負傷120人(05:53)

東北新幹線 東京―仙台間 27日にも運転再開(06:10)

住民説明会怒り、困惑 福島・飯舘、計画的避難区域に(06:10)

住民救った 職責尊く 東日本大震災から1カ月(06:10)

魂よ安らかに 東日本大震災1カ月 各地で追悼(06:10)

県土再構築目指す 宮城県知事、復興基本方針を公表(06:10)

帰宅時間、いつもの7倍 大震災当日に電車通勤者(05:43)

最大で1時間1万テラベクレル 国際尺度、最悪の7も(01:07)

河北新報サイト
 
福島原発現場状況  
☆厳しい現実が続いています。現場で作業しているチームに全てを託している状況は変わっていません。

2011/04/11 22:17 (共同通信)

汚染水処理は前途多難 「冷温停止」へ課題多く

東京電力福島第1原発の事故で、1~3号機のタービン建屋内外にたまった高濃度の放射性物質を含む水。復旧作業の大きな障害だった汚染水が除去できれば、停滞していた事故処理の展望が開けると期待されたが、11日に予定されていた2号機立て坑にある高濃度の汚染水の回収は、夕方の地震とホースの漏れの発見で中止となり、足踏み状態に。汚染水は大量で、今後の作業が順調に進むかも不透明だ。

▽転換点
汚染水の本格的な回収について、住田健二(すみた・けんじ)大阪大名誉教授(原子力工学)は「重要なターニングポイント(転換点)だ。今後の作業にかかわるものなので、何としてもうまく進めなければならない」と語る。

作業の本格化は、前進にはなるが、これは事故を収束させるための入り口にすぎない。最大の課題は、原子炉の温度を100度未満の「冷温停止」に持ち込むことだ。そのためには、これまでのように原子炉に海水や真水を注入する応急措置でなく、水を循環させて原子炉に戻す本来の冷却システムの復旧が必要だ。

 タービン建屋は原子炉建屋に隣接し、冷却機能にかかわる電気系統の設備が集中する。「汚染水を移さない限り、冷却機能を構築するためのほかの作業が進まない」と京都大原子炉実験所の小出裕章(こいで・ひろあき)助教は汚染水回収の重要性を指摘する。

ただ復水器などに集められたとしても、その後の作業のためには除染が必要。建屋内で作業が可能になっても、機器類が正常に作動し、原子炉や配管に損傷などがないことを確認するにはかなりの時間がかかりそうだ。

▽保管か処理か
回収した汚染水自体の扱いもやっかいだ。東電によると、2号機の復水器に集めた汚染水は集中廃棄物処理施設に移す予定だが、その後の扱いは未定。1~3号機のタービン建屋内外の高濃度汚染水は計6万トンに及ぶとみられる。

住田さんは「汚染水は大量で、どのように保管するかが今後の課題。高濃度なので再利用は考えにくく、保管せざるを得ないのではないか」と話す。

集中廃棄物処理施設は3万トンの汚染水を収容可能だが、復水器の容量は3基で計7600トンと限られる。仮設タンクの設置作業も「開始は最短で15日ごろ」(東電)。4号機などの比較的低濃度の汚染水の受け皿になるとみられる静岡市提供の人工の浮島「メガフロート」は改修中で、到着は5月半ばの見込みだ。

永久保管は困難と見るのが東北大の内田俊介(うちだ・しゅんすけ)元教授。「放射性物質の濃度を下げて捨てざるを得ない」と話す。内田さんによると、日本原子力学会の作業部会が汚染水の処理方法の検討や除染剤の試験などを行っており、放射性物質を樹脂に吸着させる方法などが考えられるという。

海江田万里経済産業相は11日、東電に、汚染水移送の安全性評価、恒久的な排水保管、処理施設の方針について報告するよう指示したが、この作業も始まったばかりだ。
 
浜岡原発停止認めず 静岡地裁判決 2007年
☆原子力発電は国の司法も安全のお墨付きを出していた。

一部引用・・

静岡県御前崎市にある浜岡原発は「想定される東海地震の揺れに耐えられず危険だ」として、静岡県や愛知県の住民らが中部電力(本店・名古屋市)に1~4号機の運転差し止めを求めた訴訟の判決が26日、静岡地裁であった。

宮岡章裁判長は「耐震安全性は確保されており、原告らの生命、身体が侵害される具体的危険があるとは認められない」と判断し、原告側の請求を棄却した。

中略

判決は、国の中央防災会議が想定している東海地震モデルについて、「アスペリティーの設定やプレート境界面の設定は適切で、十分な科学的根拠に基づいている」と判断。想定以上の地震が発生する可能性を考慮すべきという原告側の主張を退けた。

全文はこちら
 
中国電力に工事妨害で4800万円の支払いを訴えられている若者たち
一部引用・・

中国電力は、山口県上関町に上関原子力発電所の建設を計画している。漁協をはじめとする反対派住民や全国から集まった若者らは、海上にカヌーや漁船を出すなど抗議活動を行い、工事を強行する中国電力の職員らと衝突、けが人も出た。
カヤック隊として上関の海を守っている若者が、中国電力に裁判を起こされ、作業 遅延を理由に、4人の個人に対して4800万円の支払いを求められている。こういった裁判をSLAPP裁判という。

そもそも中国電力は「電力余り」で関西電力などに余剰電力を買い取ってもらっている状態だ。中国電力は電力需要量は増えるという計画を根拠に、原発建設が必要と説明しているが、実際には販売電力の実績は年々減っている。

中国電力がこのような非合理な経営をできるのは、電力会社が市場を地域独占しているからに他ならない。中国電力は他社に比べて石炭による発電の割合が高く、 CO2排出量が他の電力会社に比べて高い。その排出量を他社と横並びに合わせるため原発を建設し、母数を増やすという、馬鹿げた論理である。

全文はこちら

注)SLAPP訴訟こちら


日本列島居住・地球市民の動き 小出助教のラジオインタビューと共に 4月11日
 
 
原発の街を歩く・福井県
一部引用・・

そしていよいよ敦賀原発に向かった。敦賀半島の先端にあり、市街地から約12キロ離れたところにある。日本でもっとも古い原発であり、30~40年の運転を想定していたが、いろいろあって運転41年目を迎えた。そんなわけで、「大丈夫なのか」と様々なメディアから不安視されている発電所でもある。

こういう時期だから、ひょっとしてむやみに近づいたら「貴様、テロリストだな!」とガンガン警察から職質されて、拘禁されて、小林多喜二のようになる……とは考えてないけれど、なんとなく緊張しながら向かった。今になって考えると、それもやっぱり無知というやつで、ごく普通に行くことができた。海岸沿いの道をひたすら進んだ。

その途中、海水浴場や船着場を目撃した。敦賀湾の美しい風景に見とれて、何度も車を停めた。敦賀火力発電所がよく見える。

全文はこちら

翌日の美浜町と「もんじゅ」のルポはこちら
 
戦後日本の原子力発電計画に対する一人の米国人物理学者の諌言
一部引用・・

さらに日本の原子力発電施設の立地条件の観点から見ると、

日本は人口が多い。(アメリカの約50%)
その領土は狭い。(アメリカの約5%)
その上 地震多発国である。
という悪条件が三拍子揃っている。まるでバッターボックスに立つ前に三振がコオルされているのと同然である(like having three strikes called before coming to the batter’s box)。

また原子炉の運転ミスが絶対にないと言い切れない。その上、予想外に大きい地震が発生し大量の放射能漏れが発生したとなると、日本の人口が稠密(ちょうみつ)である為、外国と比べ物にならない多くの人身災害が出る可能性が大である。かりに放射能漏れがなくとも、放射性廃棄物の不完全管理の為、原子爆弾による一瞬にして起こるダメージと同程度のものが、じわじわと起こることが必然である。

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