今宵楽しむのは、ロバート・キングとキングス・コンソートによる「Handel: The Coronation of King George II」です。このDVDは、ヴェルサイユ宮殿旧王室礼拝堂でおこなわれた、ジョージ2世の戴冠式を再構成したライブ映像(2018年1月17日)。ジョージ2世の戴冠式は、1727年10月22日にウエストミンスター・アビーでおこなわれ、これに4曲のアンセムを提供したのがヘンデルです。ヘンデルのほかには、ヘンリー・パーセル、ジョン・ブロー、トーマス・タリス、ジョン・ファーマー、オーランド・ギボンズ、ウィリアム・チャイルドの曲が収録され、戴冠式を彩っています。映像も音楽も美しく、目と耳でジョージ2世の戴冠式を追体験できる好DVD。また、キングたちにはDVDと同趣旨のCD「The Coronation of King George II」(2001年)や、戴冠式アンセム4曲を収録した「Handel: Fireworks Music & Coronation Anthems」(1989年)のCDもあります。
ところで、先日のチャールズ3世の戴冠式では王室の伝統にならって、アンセム「司祭ザドク」のみが塗油(3枚の衝立で囲われ儀式は非公開)にさいして歌われました。これにはアンドリュー・ネスシンハ(アビー聖歌隊主席指揮者、オルガン奏者)の指揮のもと、アビー聖歌隊、セント・ジェームズ宮殿王室礼拝堂聖歌隊、メソジスト・カレッジ礼拝堂聖歌隊(ベルファスト)、トゥルーロ大聖堂聖歌隊少女合唱団、モンテヴェルディ合唱団員、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団などの特別編成のオーケストラ(アントニオ・パッパーノ指揮)が参加。なお、ジョン・エリオット・ガーディナー、モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツは、戴冠式直前に出演。バッハの曲などを演奏して雰囲気を盛り上げていました。
※DVD(CSV005)はPAL方式のため、日本の一般的なプレーヤーでは再生できません。PCだと問題なく再生できます。