三位一体節後第12日曜日にきくのは、イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)、ジョナサン・コーエン(指揮とチェンバロ)、そしてアルカンジェロによる「霊と心は驚き惑う」(BWV35)です。このカンタータの初演は1726年9月8日。第1部4曲、第2部3曲からなるアルト独唱のためのカンタータで、コラールもなく、合唱はまったく登場しません。第1部はコンチェルト(Concerto)、第2部はシンフォニア・プレスト(Sinfonia Presto)と、2部ともにオルガン協奏曲の楽章といった音楽ではじまります。じっさい2曲は、協奏曲からの転用とみられています。独唱のデイヴィスは1979年生まれのイギリスの歌手。独唱カンタータのBWV54、BWV82、BWV169、BWV170を録音しており、BWV54とBWV169はすでに紹介済みです。このBWV35の録音は2020年で、すぐれた歌唱をきかせてくれます。
CD : CDA68375(hyperion)