柳生の帰り、道筋なので最初から円成寺にお参りすることを決めていました。静寂な境内の何処からか、筧の音が聞こえていました。
室町時代の作重要文化財の楼門の前の楓がほのかに色づいて、秋の気配がここに漂っています。
平安時代の名勝庭園は、寝殿造り系庭園だそうです。淡く紅葉した木々を池に映しこんで、雅な雰囲気が落ち着いた雰囲気で、いつ訪れても好きな古刹です。
平成2年に再建された多宝塔には、運慶が25歳頃に刻んだ第一作の 国宝・大日如来像をお祀りしています。手前の楼門は、桧皮葺きで軒下の木組みの美しさに見とれてしまいます。
多宝塔の相輪が眩く空に立ち上がる下、境内の木々は紅葉に向けて優雅なグラデーションを、呈しています。
国宝の春日堂と、白山堂で、鎌倉時代に建立されています。全国で最も古い春日造り社殿で、表は入母屋、裏は切り妻で、造りは鎌倉時代の特色を現していると、頂いたパンフレットに記されています。
楼門の内側から庭園を眺めました。緑と紅葉した楓と対照的な美しさがあります。
紅葉の後ろの本堂(阿弥陀堂)室町時代に建立された重要文化財です。昭和36年に解体修理を完了しているそうです。
平安末期に造営された美しい庭園を再び見ながら、忍辱山(にんにくせん)円成寺(えんじょうじ)をあとにしました。