鑑賞速報:大町桂月歌碑 【岩木山山頂 岩木山神社奥宮前 2021.7.1】
青森県の観光を切り開いた巨人:大町桂月は岩木山にも足跡を残していた。
嶽登山道から息を切らして辿り着いた山頂で目に飛び込んできたのは大町
桂月の歌碑だった。思いがけない出会いだ。観光の先達の短歌を鑑賞した。
歌文:四方八方(よもやも)の 千万(ちよろず)の山を 見下ろして
心にかかる 雲もなき哉(かな)
大正12年10月14日 桂月
解釈:最高峰の山から見下ろすと彼方の山々は眼下にあり、小さな心配事も
この景観の前には失せてしまうだろう。実に爽快な山行であることよ
感慨:岩木山と大町桂月の関係は、アソベの森の露天風呂に歌碑が設置され
て気付いたのだが、今思えば偶然ではなく必然の出会いだったのかも
アソベの森露天風呂歌碑文
男湯・・・下りて山を 湯船に仰ぐ 紅葉かな
女湯・・・湯船より 見上げる山の 紅葉かな
考察;岩木山は1872年まで女人禁制だった。つまり、大町桂月がこの
短歌を詠んだ時代だ。そのことが、男湯の『下りて山を・・・』と
女湯の『見上げる山の‥・』の違いに歌われていて、興味ぶかい。
参照#①大町桂月(酔仙人)探訪紀行 ②岩木山トレッキング 2021
③アソベの森 いわき荘(百沢温泉郷)
④同じく、山頂近くに祠と歌碑(菅江真澄)がある森吉山