≪ 平成調査結果:研究&調査&執筆 石川啄木(哀しみの歌人)2006.4~2018.12 ≫
石川啄木は岩手県渋民村の極貧の寺に生まれた歌人・作家。北日本(主に東北)、北海道に
足跡が残る。最後は失意のまま希望を捨てず、上京してその短い生涯を終えた。その足跡
を辿り我が人生を振り返った日々が懐かしい。 文学は歓びと哀しみの混沌から生まれる。
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①北海道・・・子を負いて 雪の吹き入る停車場に われ見送りし 妻の眉かな (JR小樽駅)
②北海道・・・忘れ来し 煙草思ふ ゆけどゆけど 山なほ遠き 雪の野の汽車 (十勝平野)
③北海道・・・遠くより 笛ながながと ひびかせて 汽車今とある 森林に入る (十勝平野)
④北海道・・・神のごと 遠く姿あらわせる 阿寒の山の雪のあけぼの (雄阿寒岳)
⑤北海道・・・朝の湯の 湯槽のふちに うなじ載せ ゆるく息する 物思ひかな (川湯温泉)
⑥北海道・・・しらしらと 氷かがやき 千鳥なく 釧路の海の 冬の月かな (釧路港)
⑦青森県・・・東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹とたはむる (大間埼)
⑧青森県・・・大といふ 字を百あまり 砂に書き 死ぬことをやめて 帰り来れり (大間埼)
⑨青森県・・・大海に むかひて一人 七八日 泣きなむとすと 家を出でにき (大間埼)
⑩青森県・・・船に酔いて やさしくなれる いもうとの 見ゆ津軽の 海を思えば (むつ湾)
⑪青森県・・・夕雲に 丹摺(にず)はあせぬ 湖ちかき 草舎くさわら人 しづかなり (十和田湖)
⑫岩手県・・・この船は 海に似る 瞳の君乗せて 白帆に紅の 帆章したり (石川節子)
⑬岩手県・・・やわらかに 柳あおめる 北上の 岸辺に見ゆ なけとごとくに (渋民公園)
⑭岩手県‥・その昔 小学校の柾屋根に 我が投げし鞠 いかにかなりけむ (旧渋民尋常小学)
⑮岩手県・・・かにかく 渋民村は 恋しかり ふるさとの山 ふるさとの川 (啄木仮住まい家)
⑯岩手県・・・はたらけど はたらけど 猶わがくらし 楽にならざり ぢっと手をみる (啄木記念館)
⑰岩手県・・・ふるさとの 山に向いて 言うことなし ふるさとの山は ありがたきかな (岩手山)
⑱岩手県・・・潮かをる 北の浜辺の 砂山の かの浜薔薇よ 今年も咲けや (三陸海岸)
⑲岩手県・・・不来方の お城の草に 寝ころびて 空に吸はれし 十五の心 (盛岡城址)
⑳岩手県・・・ふるさとの 寺の畔の ひばの木の いただきに来て 啼きし閑古鳥 (啄木生家)
㉑茨木県・・・何事も 思うことなく いそがしく 暮らせし一日を 忘れじと思う (古房地公園)
㉒東京都・・・ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きに行く (上野駅)
記録:石川啄木の碑文は北海道から沖縄まで現在約160位確認されている。しかし、啄木が
辿った路は北海道、青森、岩手・・・東京どまりで、その旅路は貧困との闘いであった。
参照#石川啄木夫妻 #石川啄木愛用の机 #代用教員時代(渋民村尋常小学校)