(ソマリアの首都モガディシオで小麦粉を買う女性ら。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、アフリカ地域では小麦粉の値段が45%上昇している(5月26日、AP)【6月4日 読売】)
【ウクライナ発の食糧危機 世界94か国、およそ16億人が影響を受けている】
ウクライナでの戦争は当事国だけでなく世界全体に多大な影響を及ぼしていますが、現在(というより、侵攻当初からですが)喫緊の課題となっているのが食糧危機の深刻化。
ロシアとウクライナの小麦供給量は合計で世界の約3分の1を占めているほか、ウクライナはトウモロコシ、大麦、ヒマワリ油、菜種油の主要輸出国。また、農作物の肥料に使われるカリウム(ポタッシュ)の世界的な供給ではロシアとベラルーシが合計で40%以上を占めています。
****ウクライナ侵攻で食糧危機深刻化 「世界で16億人が影響」と国連発表****
国連はウクライナ侵攻で深刻化する食糧危機をめぐり、世界で16億人が影響を受けていると発表しました。
国連 グテーレス事務総長「この戦争は他の危機とあわさり、社会的・経済的混乱を招くような前例のない飢餓や貧困の波を引き起こすおそれがある」
国連は8日、ロシアによるウクライナ侵攻がもたらす食糧やエネルギー、金融危機に関する報告書を発表しました。
この中で、世界94か国、およそ16億人が影響を受けていると指摘。ロシアによる黒海の海上封鎖で、世界有数の穀物輸出国であるウクライナの穀物が輸出できないことが要因の1つとしています。
グテーレス事務総長は、戦時であっても「ウクライナ産の食糧やロシアが生産する肥料が、世界の市場に戻されなければいけない」と強調しました。【6月9日 TBS NEWS DIG】
国連 グテーレス事務総長「この戦争は他の危機とあわさり、社会的・経済的混乱を招くような前例のない飢餓や貧困の波を引き起こすおそれがある」
国連は8日、ロシアによるウクライナ侵攻がもたらす食糧やエネルギー、金融危機に関する報告書を発表しました。
この中で、世界94か国、およそ16億人が影響を受けていると指摘。ロシアによる黒海の海上封鎖で、世界有数の穀物輸出国であるウクライナの穀物が輸出できないことが要因の1つとしています。
グテーレス事務総長は、戦時であっても「ウクライナ産の食糧やロシアが生産する肥料が、世界の市場に戻されなければいけない」と強調しました。【6月9日 TBS NEWS DIG】
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【アフリカ連合議長国 穀物輸出「制裁対象から外すべき」】
もともと食糧事情が悪いアフリカや、ウクライナ・ロシアからの食糧輸入に頼る中東などでの影響が特に大きいと見られていますが、そのアフリカ連合(AU)議長国セネガルのサル大統領が6月3日、ロシアを訪問してプーチン大統領とロシア南部ソチで会談し、食糧供給事情の改善を訴えました。
私はてっきり、ロシアに苦情を申し入れに行ったのか・・・と思ったのですが、そんな会談をプーチン大統領が受けるはずもなく、実際のところはサル大統領はロシア産穀物を制裁対象から外すべきとのロシアの主張に沿った考えで、ロシアとしてはアフリカとの深い関係をアピールした場ともなっています。
****穀物輸出「制裁対象から外すべき」プーチン氏との会談で アフリカ連合議長国****
ロシアのプーチン大統領とアフリカ連合議長国であるセネガルのサル大統領が会談し、サル大統領はロシアやウクライナからの穀物輸出のため「制裁の対象から外すべきだ」と語りました。
プーチン氏は3日、ロシア南部ソチでアフリカ連合議長国であるセネガルのサル大統領と会談を行いました。
ロシア プーチン大統領 「我々は常にアフリカの側に立ち、植民地主義との戦いでアフリカを支援してきた」
ウクライナ侵攻をめぐり、アフリカなどで食糧危機への懸念が高まる中、サル大統領は「ロシアへの制裁は状況をさらに悪化させ、食糧安全保障にも影響を及ぼしている。穀物と肥料は制裁対象から外すべきだ」と語りました。
プーチン氏はこれまで穀物などを輸出する用意はあるがそのためには「制裁の解除が必要だ」と主張していて、サル氏の発言はこれに呼応した形となります。
ロシアとしてはアフリカとの関係をアピールし、欧米をけん制する狙いがあるとみられます。【6月4日 TBS NEWS DIG】
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ロシアとアフリカ諸国のつながりはかねてより指摘されるところですが、アフリカ諸国は欧米への不満も強く、国連でのロシア非難決議などでも欧米の主張とは一線を画しています。
****ウクライナ侵攻でもロシアは国際的に孤立していない…新経済秩序が構築される可能性も****
(中略)
前述の(ロシア軍の即時撤退を求める)国連決議を棄権した東アフリカ・ウガンダのムセベニ大統領は、ウクライナを巡る西側諸国とロシアの対立について「アフリカは距離を置く」と表明した(3月18日付日本経済新聞)。
歴史的にアフリカを搾取してきた西側諸国がウクライナだけに肩入れするのは「ダブルスタンダード」だというのがその理由だ。
同じく国連決議を棄権した南アフリカのラマポーザ大統領も17日、ウクライナにおける戦争についてNATOを非難し、「ロシア非難の呼びかけに抵抗する」と述べた。
アフリカでは難民や人道危機における国際社会の対応が「人種差別的」だと不満の声も上がっているが、中東でも「西側諸国のウクライナへの対応が中東に向けられた態度とあまりにも違う」との不信感が強まっている(3月8日付ニューズウィーク)。(後略)【3月26日 デイリー新潮】
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【ロシア・プーチン大統領 「誤った」欧米の経済政策や対ロシア制裁のせい】
とは言え、食糧危機が更に深刻化してロシアの「悪者」イメージが強まるのはプーチン大統領としても避けたいところでしょう。
プーチン大統領は食糧危機はロシアのせいではなく、「誤った」欧米の経済政策や対露制裁のせいだと主張しています。また、ウクライナが黒海港湾からの穀物輸出ができなくなっていることに関してもウクライナ側の機雷設置を非難しています。
ウクライナ国営通信などによると、ロシア軍の黒海封鎖の影響で最大2500万トンの穀物輸出が停滞しており、秋には7500万トンに達する恐れがあるとされています。
****プーチン氏、食料危機は「ロシアのせいでない」 米欧の制裁批判****
ロシアのプーチン大統領は3日、国営放送のインタビューで、ウクライナ侵攻を受けて食料価格が上昇している問題について「ロシアのせいではない」との持論を展開し、「誤った」欧米の経済政策や対露制裁の影響を強調。ウクライナ軍が「港の入り口に機雷をしかけた」とも訴え、ロシア軍による海上封鎖への国際的な非難に反論した。
プーチン氏はインタビューで、新型コロナウイルスの流行後に米国が大規模な金融緩和に踏み切ったことで「食料の価格が上昇した」と主張。
さらに、欧州諸国がロシアとの天然ガス供給の長期契約を結ばなかったことなどによりガスの価格も上昇し、肥料の生産コストも増大したとし、「ロシアの軍事作戦とは全く関係がない」と強弁した。米欧による経済制裁も肥料不足の一因として「近視眼的で愚かな政策」と断じた。
ロシア海軍が展開する黒海の港からウクライナ産の穀物などが輸出できなくなっている問題については、「我々は国際水域の平和的な航行を保証する」と強調。露軍が機雷を敷設しているとされるが、その点には触れなかった。また、ウクライナが周辺国経由で穀物を輸出できるとも指摘し、「穀物搬出に問題はない」とも述べた。
ロシアによるウクライナへの侵攻後、民間の船舶が周辺で砲撃などを受ける被害が相次ぎ、ウクライナの港から外国船が出航できなくなっている。ウクライナや欧米諸国はロシア軍が「船舶の航行を妨害している」と訴えている。【6月4日 毎日】
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【注目されるトルコ仲介の協議】
この状況で、ロシア・ウクライナ双方と関係を持つトルコの仲介外交が注目されており、国連も含めて協議が進んでいます。
****プーチン氏、穀物輸出に「ウクライナが機雷除去」の条件提案…黒海封鎖で世界的食料危機****
穀物大国ウクライナに侵攻しているロシア軍が、輸出拠点の黒海沿岸を封鎖していることに伴う世界的な食料危機の解消に向け国連を交えた関係国の駆け引きが活発化している。
ロシア、ウクライナ両国と関係が良好なトルコが仲介に乗り出している中、セルゲイ・ラブロフ露外相が8日にトルコを訪問することになり、協議の行方が注目される。
穀物輸出問題を巡っては、トルコが5月末、自国とウクライナ、ロシア、国連が参加して監視センターをイスタンブールに設置することを提案している。ウクライナのドミトロ・クレバ外相も5月末、有志国の海軍が参加する国連主導の船団結成で海上交易の安全を確保する案を示していた。
こうした関係国の動きの中、プーチン露大統領は3日放映の露国営テレビとのインタビューで、穀物輸出を認める条件付きの提案を示した。ウクライナが黒海の機雷を除去することを条件に、南部オデーサ港などを利用しても「安全な航行を保証する」と述べ、南東部マリウポリなどロシアの管理下にある港から輸出する方法にも言及した。
同盟国ベラルーシ経由でバルト海から海上輸送する案が「一番簡単で安価だ」とし、条件として、欧州連合(EU)の対ベラルーシ制裁解除を挙げた。こうした案は2、3日にモスクワを訪問していたマーティン・グリフィス国連事務次長にも説明したとみられる。
プーチン氏は3日、露南部ソチで会談したアフリカ連合(AU)議長国セネガルのマッキ・サル大統領から、深刻な食料危機に向けた対応を求められていた。国際社会でのさらなる孤立につながらないよう調整に乗り出す姿勢を示した模様だ。
プーチン氏にとっては、露軍が占拠する港湾でウクライナの穀物を扱うこととなれば、支配の既成事実化につながる。ウクライナやEUが条件付きの露側の提案を受け入れる可能性は低いとみられる。
しかし、ウクライナも穀物輸出の停滞によって深刻な打撃を受けている。今後もトルコなどを巻き込んだ打開策の議論が続くものとみられる。【6月4日 読売】
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【機雷除去をめぐるロシア・ウクライナの対立】
上記にもあるように6月8日、ロシアのラブロフ外相がトルコを訪問し、チャブシオール外相とウクライナからの穀物輸出の問題で協議しています。ラブロフ外相は、これまでのロシア主張に沿って、オデーサにおけるウクライナの機雷除去を求めています。
****ウクライナ穀物輸出 ロシアが「港の機雷除去せよ」 ロシア・トルコ外相会談****
ロシアのラブロフ外相は、ウクライナからの穀物の輸出について、「ウクライナ側が機雷を除去すれば、安全な海上輸送をロシアが保証する」と述べた。
ロシアのラブロフ外相は8日、訪問先のトルコの首都アンカラでチャブシオール外相と会談した。
その後の共同記者会見でラブロフ外相は、ウクライナから穀物が輸出できないため、アフリカを中心に食糧危機が懸念されている問題について、「ウクライナ側が港に設置しているとされる機雷の除去が必要だ」と指摘、「機雷が除去されればプーチン大統領が穀物の輸出を保証する」と述べた。
ラブロフ外相「(解決策は)機雷を取り除くか安全な航路を示すかだ。それ以上は必要ない」
一方、トルコのチャブシオール外相は、穀物輸出の正常化に向け、国連を含めた枠組みを作る必要があると述べた。
また、ウクライナの外相は、海上輸送の安全を保証するというラブロフ外相の発言は信用できないとの立場を示した。【6月9日 FNNプライムオンライン】
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ウクライナは機雷除去すればロシア艦隊がすぐに押し寄せると、除去を拒否しています。
****ウクライナ、オデーサ港周辺の機雷除去せず****
ウクライナは8日、穀物を輸出するために機雷を除去すればロシアの攻撃を受ける恐れがあるとして、南部オデーサの港周辺で機雷掃海を実施しない方針を明らかにした。
オデーサ州のセルヒー・ブラチュク報道官はSNSに投稿した動画で「港への出入りを可能にすれば、たちまちロシア艦隊が現れるだろう」と述べた。
ブラチュク氏は、ロシア軍がオデーサへの攻撃のチャンスをうかがっており、同市への空挺(くうてい)部隊の降下を想定していると指摘した。 【6月9日 AFP】AFPBB News
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トルコのチャブシュオール外相はロシアのラブロフ外相と会談後、ウクライナや国連も交えた協議を行うことを提案しています。
国連のグテーレス事務総長は人道担当のグリフィス国連事務次長と、国連貿易開発会議のグリンスパン事務局長が交渉に当たっているとしたうえで、「これ以上公の場で話すことは、成功のチャンスを危うくする。数百万人の安泰がここにかかっている。いまは静かな外交が必要な時だ」として交渉の詳細は明らかにしていません。
ウクライナは、自国抜きに行われる協議がロシアのペースで進むことを警戒しており、ウクライナを交渉に加えることも求めています。
****「ウクライナの利益、考慮しない合意は拒否」…自国抜きのロシア・トルコ外相会談に反発****
ウクライナ外務省は7日、ロシア軍の黒海封鎖で穀物輸出が停滞している問題を巡り、ロシアとトルコの外相会談を前に声明を出し、「ウクライナの利益を考慮しない合意は拒否する」と強調した。ウクライナは、自国抜きに行われる協議がロシアのペースで進むことを警戒しており、ウクライナを交渉に加えることも求めた。(後略)【6月8日 読売】
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なお、ロシアのショイグ国防相は7日、ロシア軍が制圧したウクライナのベルジャンスク港とマリウポリ港の地雷撤去作業が終了し、穀物輸出を再開する準備が整ったと述べています。
【ベラルーシ経由でバルト海から海上輸送する方法も】
黒海・オデーサからの輸出が難しい状況で選択肢のひとつにあがっているのが、プーチン大統領が推奨するベラルーシ経由でバルト海から海上輸送する案。ベラルーシ・ルカシェンコ大統領は自国への制裁が解除されるなら協力するとしています。
****ベラルーシ、ウクライナ穀物の経由認める用意 制裁解除なら****
ベラルーシのルカシェンコ大統領は、バルト海の港から同国製品の出荷が可能になれば、ベラルーシ経由でウクライナの穀物をこれらの港に運ぶことを認める用意があると表明した。国営通信ベルタが報じた。
主要な穀物輸出国であるウクライナはロシアによる2月24日の侵攻以降、黒海の港を使用できなくなっている。
食料危機が差し迫る中、ベラルーシ経由でのウクライナ産品の輸出は国連が主導する協議で選択肢の一つとなっている。
ベルタによると、ルカシェンコ氏は3日、国連のグテレス事務総長と電話会談し、この選択肢に前向きな姿勢を示し、ベラルーシとウクライナ、および自国の港へのアクセスを提供する用意のある国々の間で協議を行うことを提案した。
その上で、「同時に最も重要なことはドイツやポーランド、バルト三国、ロシアの港がベラルーシ製品にも開放されることだ」と述べた。
主要なカリ肥料生産国であるベラルーシは、2021年から22年にかけて西側の厳しい制裁を受けバルト海を経由した肥料輸出が停止されている。【6月6日 ロイター】
主要な穀物輸出国であるウクライナはロシアによる2月24日の侵攻以降、黒海の港を使用できなくなっている。
食料危機が差し迫る中、ベラルーシ経由でのウクライナ産品の輸出は国連が主導する協議で選択肢の一つとなっている。
ベルタによると、ルカシェンコ氏は3日、国連のグテレス事務総長と電話会談し、この選択肢に前向きな姿勢を示し、ベラルーシとウクライナ、および自国の港へのアクセスを提供する用意のある国々の間で協議を行うことを提案した。
その上で、「同時に最も重要なことはドイツやポーランド、バルト三国、ロシアの港がベラルーシ製品にも開放されることだ」と述べた。
主要なカリ肥料生産国であるベラルーシは、2021年から22年にかけて西側の厳しい制裁を受けバルト海を経由した肥料輸出が停止されている。【6月6日 ロイター】
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【今後の食糧生産を危うくするロシア・ベラルーシからの肥料供給停止】
現在の食糧危機を解決するための穀物輸出と同時に、これからの食糧生産を左右する肥料の問題も重要です。
****世界的な食料危機が迫っている、ウクライナ侵攻で肥料が不足****
世界の肥料不足なんて他人事だ。そう思ってはいないだろうか。もしもあなたが北米、ヨーロッパ、中南米、またはアジアでこれを読んでいるならば、今日生きていられるのは化学肥料のおかげである可能性が高い。
著名なエネルギー研究者であるカナダのバクラフ・スミル氏によれば、人類の5分の2にあたる30億人以上が化学(窒素)肥料によって生かされている。現在、これらの肥料が足りなくなっており、世界中の農家、肥料会社、政府が、作物収量の激減を避けようと躍起になっている。
1年以上にわたって様々な出来事で打撃を受け続けてきた肥料業界にとって、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻はボディブローとなった。オランダの金融大手ラボバンクによると、ロシアは世界の窒素肥料の20%近くを輸出し、制裁を受けた隣国ベラルーシと合わせて世界のカリウム輸出シェアの40%を占めている。欧米の制裁とロシアの肥料輸出規制のせいで、そのほとんどは農家にとって入手不可能になっている。(中略)
コロナで低迷していた産業活動の回復と、世界的な食用穀物の在庫不足が相まって、肥料の需要は一気に高まった。一方、供給側は、次々と起こる異常気象に打ちのめされてきた。(中略)
「それだけではありません」と(窒素肥料製造の世界大手である米CFインダストリーズ(CFI)の上級副社長)フロスト氏は言う。「中国とロシアが肥料の輸出規制を始めたのです。中国は
世界の尿素(窒素肥料の1つ)の10%を輸出していたのに、それがゼロになりました。そこにロシアのウクライナ侵攻が重なり、まさに最悪の状況です」
中南米の状況:世界の食料の一大生産地に打撃
北米の農家は、たとえ大金を払ってでも今季に必要な肥料を手に入れるだろうとフロスト氏は言う。しかし、最も大きな影響を受けるのは中南米の国々だ。特にブラジルは、肥料の約85%を輸入に頼っており、そのうち4分の1はロシアからの輸入だ。
ブラジルの農家が肥料を減らし、収穫量が落ちれば、世界の食料供給に大きな影響を与えるおそれがある。米農務省が2022年3月に発表した報告書によると、ブラジルは大豆、トウモロコシ、砂糖、牛肉、鶏肉、豚肉の輸出で世界のトップ3に入る。(中略)
世界の食料供給にとってロシアの肥料は非常に重要であるため、バイデン米政権は3月下旬、一連の対ロシア制裁の中で肥料や農産物を対象外とした。今でも金融制裁は輸送の妨げになっているが、専門家らはこの動きが世界の食料価格の上昇圧力を緩和することを期待している。(後略)【6月1日 ナショナル ジオグラフィック】
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本来であれば、食料価格が上昇すれば生産も拡大し、価格上昇圧力が緩和されるはずですが、肥料価格が上昇していることで生産拡大が阻害され、食料価格上昇も緩和されないという事態も懸念されています。
ヨーロッパのウクライナで起きている危機の連鎖は、食糧にしろ、エネルギーにしろ、グローバル経済の中で生きる今日の世界全体に及びます。