安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ソニー・スティット THE HARD SWING

2010-02-21 21:43:18 | アルト・サックス

普段はあまりテレビを見ない僕も、バンクーバーオリンピックの放映番組は、かじりついて見ています。スピード・スケート男子500メートルでは、長島選手が銀、加藤選手が銅メダルをとり期待に応えてくれました。僕が通った小学校の冬の体育は専らスケートで、華麗なコーナーリングには憧れたものです。メダルを取った二人のコーナー・ワークはダイナミックで、かっこいいですね。今夜は華麗なテクニックで聴かせてくれるプレイヤーです。

SONNY STITT (ソニー・スティット)
THE HARD SWING (Verve 1959年録音)

 Thehardswingcd

ジャズでテクニックというと、僕が思い浮かべるのは、チャーリー・パーカーを別格にするとソニー・スティット(as)です。力強い音で吹いていくテーマと華麗なアドリブにスリルを覚えます。渦巻き状の得意フレーズも彼ならではのものです。本作品は「Sits in with The Oscar Peterson Trio」と同年の録音だけに快調です。

共演陣にスターがいないのが残念ですが、スティットのワン・ホーンに相応しく過不足ないリズムを刻んでいます。メンバーは、スティット(as・ts)にエイモス・トリス(p)、ジョージ・モロウ(b)、レ二ー・マクブラウン(ds)です。

スティットは、メロディをきちんと吹いてくれるので、スタンダード曲をサックスで聞きたいという時に最適なプレイヤーです。本作品は、「I Got Rhytym」、「What's New?」、「If I Had You」、「I'll Remember April」、「After You've Gone」、「Street of Dreams」、「The Way You Look Tonight」という有名曲に、「Blues for Lester」などオリジナル4曲の全11曲です。

アップテンポの「I Got Rhythm」や「I'll Remember April」は力がこもった熱演です。「The Way You Look Tonight(今宵の君は)」のテーマ部分は、テナー・サックスにより比較的ゆっくりしたテンポで演奏されます。ジョニー・グリフィン(ts)をはじめ、アップテンポの扱いがほとんどで、それらもいいのですが、本来のバラードに相応しいゆっくりとしたインスト物を聴いてみたいという気持ちになりました。