安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

真田太平記館(上田市)企画展「鬼平犯科帳」の舞台を歩く、「ル・パスタン」でランチ。池波正太郎著「青春忘れもの」(中公文庫)。

2024-12-31 19:30:00 | 展覧会

令和6年(2024年)も暮れようとしています。今年一年、拙ブログをご覧いただきありがとうございました。今日の午後は、ジャズをBGMに、池波正太郎著「青春忘れもの」を読んで過ごしました。

真田太平記館で、12月21日から「鬼平犯科帳」の舞台を歩くという写真展が開催されているので、先日観てきました。館内のカフェ「ル・パスタン」で軽くランチをいただき、中公文庫「青春忘れもの」も購入。

   

チラシ表

   

チラシ裏。

〈企画展の内容〉

東京と京都を撮影取材し、長谷川平蔵の役宅や京都の掛け茶屋「平野や」など、物語の中に印象深く登場する場所の現在の様子を関連資料とあわせて展示しています。いかに多くの場所が、小説「鬼平犯科帳」の舞台になっているかと、驚きました。

(当日の写真)

池波正太郎真田太平記館外観

企画展のポスター

カフェの看板

カフェ(喫茶〉スペース

ナポリタン

ブレンドコーヒー

本も販売しています。これは鬼平犯科帳。

随筆もあります。右から二番目に、僕が購入した「青春忘れもの」が立てかけてありました。

   

ここで、書籍を購入すると、期間限定のようですが、真田太平記の挿絵の図柄のブックカバー(紙製)がもらえます。今回、忍びの「おこう」の図柄のものをもらいました。

ポスターをもらってきて、フレームに入れ、安曇野市宅に飾りました。

【池波正太郎真田太平記館ホームページ】

◆池波正太郎真田太平記館◆ - 上田市ホームページ

 

【池波正太郎著「青春忘れもの」(中公文庫)】

   

表紙

(内容の紹介)

   

(感想など)

池波正太郎さんの作品は、結構読んできましたが、この本は初めてです。一言でいうと、池波さんが書いた小説と同じくらいに面白い随筆です。小さい頃からの話を克明に綴ってあり、記憶力の凄さにまず驚きました。

就職先の株屋や戦中の海軍における話は、それだけで、小説にもなりそうなものです。株屋の時には、長唄を習って歌舞伎見物の鑑賞に役立てたり、賭場に出入りしていて、そのような実体験があるからこそ、小説や脚本にリアリティが出るのだろうと思いました。

海軍時代は、まず旋盤工として働いていますが、図面からこまかい航空部品を作る体験が、戯曲や小説の構成についての考え方の基盤になったと、記しています。家族や友人に対する優しさが、そこここにみえて、温かい気持ちになるエッセイでもあります。

(著者紹介)

 

      


群馬県太田市に新たにオープンしたジャズ喫茶「Jazz & Bossa CAFEMUSICA」を訪れました。

2024-12-30 19:30:00 | ジャズ喫茶

前橋市のジャズ喫茶「木馬」のマスターから情報をいただき、群馬県太田市に2024年12月10日にオープンした「Jazz & Bossa CAFEMUSICA」を訪れました。閉店したジャズ喫茶「N」と同じ場所で営業されています。

建物は同じでしたが、オーディオ機器が変わり、店主はお若い方でした。ハードバップを中心に、適度な音量でジャズが流れていて、寛げました。長野からは高速道で行きやすいので、また訪れたい。

お店の外観。真ん中の二階建ての建物の一階がお店です。

入口

看板が出ています。

奧に細長く、奧の方はカウンター席になっています。お二人の地元の方と思われるお客様がいました。二人が帰ったあとに撮影。

レコード、CD棚。結構な量があります。

座ったあたりから、入口の方を撮影。スピーカーが、入口扉の左右に設置されています。

入って左手の壁です。ポスターが置いてあり、開店祝いの胡蝶蘭が飾ってありました。

スピーカーは、ALTEC LANSING 604-8Hです。『1978年発売で、604シリーズの2ウェイ38cm同軸型スピーカーユニット』だそうです。

左側のスピーカーの横には、お店の看板が置いてありました。

   

アンプやプレーヤー。ブレていて、よくわかりませんが、CDプレーヤーはマランツのものです。

レコードプレーヤー。

入店時には、タビー・ヘイズ(ts)「TUBBS in N. Y.」がかかっていました。英国と米国のミュージシャンユニオンによるヘイズとズート・シムズ(ts)の交換により実現したアルバムで、1961年録音。こんなのがかかっていたので、良いお店に違いないと、最初から好印象です。

続いて、CDで、ケン・ペプロウスキー(cl,ts)「Natural Touch」。最初の曲「I'll Close My Eyes」からご機嫌です。

オスカー・ピーターソン「We Get Requests」。CD再生でしたが、アルテックのスピーカーから、レイ・ブラウンのベース音がきれいに響いてきて、なかなか良かった。

ドナルド・バード「at The Blue Note Cafe」。基本的に一枚のアルバムから、1~2曲といった感じで、音源をいろいろ替えていました。

メニュー。

珈琲を注文。やや軽めで飲みやすい珈琲です。

追加でもう一杯いただきました。

「蔵人(クラート)」が、高崎市に2024年1月に再オープンし、2月には渋川市で「カフェ・フロントロード」がオープン、こちらのお店「CAFEMUSICA」が太田市に12月にオープンし、群馬県内のジャズのお店が増えました。

【Jazz & Bossa CAFEMUSICA】

住所:群馬県太田市東本町1−2
ホームページ:Jazz & Bossa CAFEMUSICA |  InstagramXユーザーのCAFEMUSICAさん: 「群馬県太田市のジャズ喫茶「CAFEMUSICA」です。X


ポリー・バーゲン「THE PARTY'S OVER」、松本城イルミネーション、プロジェクションマッピング。

2024-12-29 19:30:00 | ヴォーカル(L~R)

国宝松本城に出かけて、初めて、イルミネーション、プロジェクションマッピングを観てきました。デジタルアニメーションによる映像は華やかで、観光客など人が大勢集まっていました。華やかな女優さんの歌を。

POLLY BERGEN (ポリー・バーゲン)
THE PARTY'S OVER (COLUMBIA 1957年録音)

   

女優、歌手のポリー・バーゲン(vo, 1930~2014年)のレコードですが、昔、新宿西口にあった廃盤主体のレコード店「コレクターズ」では、本当に安く売られていて、他の歌手のヴォーカル盤や普通のジャズアルバムとの価格の落差に買う気が失せたのを覚えています。でも、改めて聴くとなかなか良いです。

ポリー・バーゲンは、1930年生まれで、1949年ハリウッドへ。ディーン・マーティン、ジェリー・ルイスのコメディ映画に3本出演。役柄に不満だった彼女は、1953年にブロードウェーデビュー、57年には女優「ヘレン・モーガン」の生涯を描いたテレビドラマに出演しエミー賞を獲得。1961年に映画界に復帰、1980年代はテレビドラマに出演。1957年から60年代初めにかけてコロンビアへ歌手として録音。これはその一枚。

(英文表記)Polly Bergen(vo)、Luther Henderson(arr, cond)

曲目は、次のとおり。

1  The Party's Over (Betty Comden,  Adolph Green,  Jule Styne)
2  It Never Entered My Mind (Lorenz Hart,  Richard Rodgers)
3  Where's The Boy I Saved for a Rainy Day? (Rox,  Bergersen)
4  Make the Man Love Me (Dorothy Fields,  Arthur Schwarz)
5  But Not foe Me (George Gershwin,  Ira Gershwin)
6  My Melancholy Baby (Erbue Burnett,  George Norton)
7  Smoke Gets in Your Eyes (Otto Harbach,  Jerome Kern)
8  You'll Never Know (Mack Gordon,  Harry Warren)
9  I'm Thru with Love (Gus Kahn,  Fud Livingston,  Matty Malneck)
10  Every time We Say Goodbye (Cole Porter)
11  I Guess I'll Have to Change My Plan (Howard Dietz,  Arthur Schwartz)
12  You Don't Know What Love Is (Gene DePaul,  Don Rays)
スタンダードの有名曲が選曲されていて、珍しいのは「Where's The Boy I Saved for a Rainy Day?」だけです。「Make the Man Love Me」を唄ってくれているのが嬉しい。

美女ジャケとして話題になるアルバムですが、トーチソング(失恋の歌)をはじめとする曲を丁寧に歌っているポリー・バーゲン(vo)の歌も、結構楽しめます。スタンダード曲ばかりで知っているメロディが多く、寛ぎタイムにお酒でも飲みながら聴いていると、最高です。名曲「 It Never Entered My Mind」、伴奏がジャジーな「 But Not foe Me 」、ダイナミックな「My Melancholy Baby」、バーゲンの高音も美しい「Smoke Gets in Your Eyes 」(煙が目にしみる)などと、聴き惚れました。

   

レコードのラベル。コロンビアレコードのオリジナル盤でプロモーション用のものです。

(参考)本作から「It Never Entered My Mind」が聴けます。

It Never Entered My Mind

(ジャズ批評2024年7月号 銀幕の歌姫たち ポリー・バーゲンのページ)

   

表紙。一番上の列の真ん中に掲載されている写真は、ポリー・バーゲンのレコード・ジャケットです。

   

ポリー・バーゲンの紹介ページ。

(安曇野市宅で聴いているところ)

飾ってあるレコードは、右からポリー・バーゲン「My Heart Sings」(Columbia オリジナル盤)、本作「The Party's Over」(Columbia オリジナルプロモーション盤)、ジェーン・パウエル「Can't We Be Friends?」(Verve 日本盤)。ジェーン・パウエルも女優さんです。

 

【国宝松本城プロジェクションマッピング2024-25】

関連ホームページ:光と氷の城下町フェスティバル

『国宝 松本城の天守や石垣に、葛飾北斎や歌川広重による 信州ゆかりの浮世絵をはじめ、松本城主・石川数正が描かれた屏風絵が立体的に躍動するデジタルアニメーション』だそうです。ダイナミックで幻想的なプロジェクションマッピング映像など、さまざまな光のアートをお楽しみくださいとのことです。

案内

南側から。昼間観るのとそうかわりありませんが、白壁がくっきりとして美しい。

これも南側から

西南から。

色合いなどが、どんどん変化していきました。

お堀の水に反射している絵も写真の中に入り込んでいます。

これは、光が左右に広がって、なかなかダイナミックでした。

この装置で、光線を放射していました。使用しているカメラは、OM SYSTEMの「TG-7」です。コンデジを手で構えての撮影なので、ブレブレになったり、うまく撮れず、まあなんとか見られるものを選びました。


松本市大手のとんかつ「かつ玄」本店で三昧定食。牡蠣(かき)も美味しい。

2024-12-28 19:30:00 | グルメ

先日、松本市に出かけましたが、夕食を松本城近くのとんかつの「かつ玄」本店でいただきました。人気店でランチなどもかなり混雑しますが、夕方早めの時間だったせいか、すんなり入れました。

今回は、蠣(牡蠣)のシーズンなので、とんかつ三味定食を注文し、カキフライをいただきました。大きくてジューシーで、ロースかつ、ヒレかつとともに、美味しくいただきました。

入口

大きなテーブルに案内されました。僕に続いて、3組のお客様が入店してきて、4人掛けの4テーブルは満席になりました。

厨房の方です。蠣(かき)の張り紙があります。

メニューの一部。入口の前に掲示してあったものを撮影。メンチカツも人気があって、参考に訊いたら売り切れでした。

最初に、お茶と小鉢が運ばれてきました。

小鉢。右から、タケノコの煮物、漬物(ダイコン)、もやし炒め。

とんかつ三味定食。

右から、ロースかつ、ヒレかつ(二つ)、牡蠣(かき)。最も左は、サツマイモ。

キャベツも結構多い量です。

ロースかつ。ローツかつ定食も人気があって、注文している方が多かったです。

大粒の牡蠣。ジューシーで美味しい。

豚汁です。

ごはん。お替りして下さいと言われましたが、これだけで十二分でした。

デザートとしてパイナップルが最後に出てきます。また寄りたいお店です。

【かつ玄本店】

住所:長野県松本市大手4-9-7
電話:0263−32−2430
ホームページ:かつ玄本店かつ玄 本店 (かつげん) - 松本/とんかつ | 食べログ


小宮正安著「ベートーヴェン《第九》の世界」(岩波新書)を読み、シューリヒトとカラヤン指揮のCDで同曲を聴きました。

2024-12-27 19:30:00 | 読書

書店で、小宮正安著「ベートーヴェン《第九》の世界」(岩波新書、2024年11月20日発行)を立ち読みしたら、面白そうだったので購入しました。

   

表紙

(本書の紹介)

   

(目 次)

   

   

(感想など)

ベートーヴェンの交響曲第9番について、作曲された経緯、当時の時代背景、歌詞の内容、演奏史、世界における受容、そして、現代の日本で年末に頻繁に演奏される理由など、この曲にまつわる様々な事柄を論じた労作で、興味が尽きない面白い内容です。

特に、シラーの詩「歓喜に寄す」と、ベートーヴェンがそれを元にして創作した第4楽章の歌詞を掲載(ドイツ語と著者による日本語訳)していて、その比較ができるのは画期的です。恥ずかしながら、僕は初めて、第9の歌詞を意味をとりながら読みました。

歌詞を読むと、『あらゆる人々は兄弟となるがよい』と書かれていますが、後段では、『そしてそれができない者はそっと立ち去るがよい』とあり、ベートーヴェンは、兄弟となれない人も想定していることに気づきました。その点は、第5章で著者も触れていて、今まですっかり、人類皆兄弟と唄う曲かと思っていたので、驚きました。

(著者略歴)

 

あらためて、CDでベートーヴェン「交響曲第9番」を聴いてみました。   

   

カール・シューリヒト指揮パリ音楽院管弦楽団、ウィルマ・リップ(ソプラノ)、マルガ・ヘフゲン(コントラルト)、マレイ・ディッキー(テノール)、ゴッドローブ・フリック(バス)、エリーザベト・ブラッスール合唱団。1958年録音。

交響曲第1番~第8番はモノラル録音ですが、第9番は、モノとステレオ録音の両方が収録されています。第9番の演奏は、激烈さもありますが、すっきりとして美しい演奏という感じがします。

   

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、アンナ・トモワ・シントウ(ソプラノ)、アグネス・バルツァ(アルト)、ペーター・シュライヤー(テノール)、ジョゼ・ヴァン・ダム(バス)、ウィーン楽友協会合唱団(合唱指揮:ヘルムート・ブロシャウアー)。1976年、1977年録音。

カラヤン指揮のもので、音質が改善されたCDです。時間をかけてスタジオで丁寧に作り込まれた録音で、定評のある演奏です。