ミシェル・タバシュニク指揮群馬交響楽団の第597回定期演奏会が、4月20日(土)に高崎芸術劇場で開催されたので、聴いてきました。
チラシ表
(出 演)
指揮:ミシェル・タバシュニク
ピアノ:ティル・フェルナー
管弦楽:群馬交響楽団 (コンサートマスター:伊藤文乃)
ミシェル・タバシュニクさんは、1942年スイス・ジュネーヴ生まれ、カラヤン、ブーレーズらに師事、2008年からブリュッセル・フィルの首席指揮者を務め現在名誉指揮者、ノールト・ネーデルランド響名誉指揮者、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ菅などに客演。作曲家としても多数の作品を残している。ティル・フェルナーさんは、1972年ウィーン生まれ、ブレンデルらに師事し、1993年のハスキル国際コンクール優勝。以降、ベルリンフィル、ウィーンフィルなど主要なオーケストラと共演し、著名音楽祭へ出演。ECMレーベルなどからCDを多数発売。詳しくは、下記プロフィールをご覧ください。
(曲 目)
シェーンベルク / 5つの管弦楽曲 作品36 (1949年版)
ベートーヴェン / ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
第1楽章 アレグロ、第2楽章 アダージョ、ウン・ポーコ・モート、第3楽章 ロンド:アレグロ
シェーンベルク / 6つの小さなピアノ曲 Op.19 (ティル・フェルナー(p)、アンコール曲)
〈休憩〉
ブラームス / 交響曲第1番 ハ短調 作品68
第1楽章 ウン・ポーコ・ソステヌート~アレグロ
第2楽章 アンダンテ・ソステヌート
第3楽章 ウン・ポーコ・アレグレット・グラツィオーソ
第4楽章 アダージョ~ピウ・アンダンテ~アレグロ・ノン・トロッポ、マ・コン・ブリオ
(感 想)
群響の2024~25シーズンの開幕は、ウィーンで活躍した作曲家の作品に焦点をあてたプログラムでした。曲目は、ベートーヴェンの「皇帝」とブラームスの交響曲第1番という有名曲がメインですが、出演者にヨーロッパの人を配して、フレッシュに感じられました。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」の独奏は、ティル・フェルナーさんで、冒頭から素晴らしく、ずっと身を乗り出して聴いていました。ピアノのサウンドが磨き抜かれたもので柔らかく、これほど美しい音は、滅多に聴けないと思いました。テンポにも推進力があり、爽やかさが全体に漂い、モーツァルトの曲のような愉悦感も感じました。
本日は、ティル・フェルナーの演奏を聴けただけで感激。その他、シェーンベルクの作品は無調ですが、チェレスタが登場するなど響きの多彩さが面白く、ブラームスの交響曲第1番では、タバシュニクさんの指揮で群響が重厚な演奏を繰り広げていました。
(演奏写真 群響facebookからお借りしました。)
ミシェル・タバシュニク(指揮)
ティル・フェルナー(ピアノ)
(出演者のプロフィール)
【群馬交響楽団】
住所:群馬県高崎市栄町9-1 高崎芸術劇場3階
電話:027-322-4316
ホームページ:群馬交響楽団 (gunkyo.com)
【本公演に関連して聴いたCD】
シェーンベルク:5つの管弦楽曲。アンタル・ドラティ指揮ロンドン交響楽団(1961年録音)。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」。フリードリヒ・グルダ(p)、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィル(1970年録音)。グルダのデッカ録音全集のうちの一枚です。本公演のティル・フェルナー演奏の「皇帝」が良かったので、帰宅後、グルダの演奏を聴きました。フェルナー、グルダがなんとなく似ているような。まあ、気のせいかも。
ブラームス:交響曲第1番。シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団(1968年録音)。こちらも帰宅後聴いたCD(SACD)です。冒頭から厚みがあるサウンドで迫力あります。群響の演奏の方もボルテージが上がっていたように思いました。