近くのホールに、チェーンソーアートの展示がしてあったので、携帯電話で撮影してみました。長野県下伊那郡根羽村の根羽森林組合が作ったものですが、杉の木(根羽スギ)の丸太をいろいろな形に彫ってあって、サンタクロースやネバダゴカエル、フクロウなど賑やかです。ネバダゴカエルは、鳴き声がワンとかキャンとか聞こえる、根羽村に生息するカエルです。金管楽器と思いがちですが、木管のフルートを。
HUBERT LAWS (ヒューバート・ローズ)
THE LAWS OF JAZZ (ATLANTIC 1964年録音)
フルートのヒューバート・ロウズですが、僕が名前を聞くようになったのは、1970年代にCTIレーベルに録音した諸作からでした。そんなところから、所謂フュージョンの演奏を専ら行っているかのイメージがあって、長らく彼のアルバムを聴こうとしませんでした。しかしながら、オーソドックスな演奏もあって、敬遠していたのがもったいなかったミュージシャンの一人です。
これは、ローズの最初期の録音の一枚で、メンバーが充実しています。ヒューバート・ロウズ(fl、ピッコロ)、チック・コリア(p)、リチャード・デイヴィス(b)、ボビー・トーマス(ds)又はジミー・コブ(ds)。アトランティック・レーベルには、ハービー・マンというスターがいて、その系列に連なる曲もあり、エンターテイメントの線も狙ったのでしょうが、チックやリチャード・デイヴィスも参加しているだけに、それだけではないセッションになりました。
曲は、ジャズ・オリジナルで、メンバーのボビー・トーマス作「Miss Thing」、「And Don't You Forget It」、ロウズ作の「Black Eyed Peas And Rice」、「Bessie's Blues」、「Bimbe Blue」、そして、カーティス・レジナルド・ルイス作「All Soul」、トム・マッキントッシュ作「Capers」の7曲。ボビー・トーマスのものは、8ビートで、ハービー・マン・グループのドラマーらしい曲です。。「Black Eyed Peas And Rose」と「And Don't You Forget It」は、ジャズでは珍しいピッコロによる演奏です。
「Miss Thing」は、ピアノとベースのパターンに導かれたリズミックで楽しい演奏。「All Soul」は、テーマに静寂が漂い、ローズの深い音色が冴えわたった美しいバラード。「Bimbe Blue」では、異国情緒が感じられるテーマから、ロウズ(fl)とチック(p)が変化に富んだソロをとり、リチャード・デイヴィス(b)も絡んだ快演となっています。それにしても、ロウズの音色は低音から高音まで本当にきれいです。これは、今年発売された限定盤1000円CDですが、同時発売されたロウズの「LAW'S CAUSE」(1966年録音)は、カラフルで、彼の別の面が聴けます。
【根羽スギチェーンソーアートの展示】
なお、ネバダゴカエルについては、こちらをご覧ください。茶臼山カエル館
フルート奏者でもっとも綺麗な音色を響かせるのが、このロウズだと思います。
クラシックの鍛錬の賜物なのか、その点でドルフィーさえ足元にも及びません。
ご紹介の「LAW'S CAUSE」における“Shades of Light”は至高の名演ですね。
ローズのこの2枚のアルバムは、なかなかいいですね。「LAW'S CAUSE」には、「Windows」も入っていますし、「If You Knew」におけるローズのロング・トーンも聴きものです。
是非、また訪問してください。
レコードでは手を出さなかったロウズですが、1000円CDですと聴いておこうか、という気になりますね。初期の作品はメンバーも粒揃いですし、ハービー・マンを超えようとする意気込みが伝わってきます。アトランティックはマンに次ぐスターとして期待していたのでしょう。
僕もレコードでは手を出しませんでした。今の時代はありがたく、古い録音なら1000円で手に入ります。その発売のラインナップがマニアックなものまであるのには驚くばかりですね。
ロウズの初期のものは、なかなかよいと思いますが、2枚を聴くと、まだ方向性が定まっていなくて、いろいろと試している感もあります。チックもマッコイのようなところがあるのが面白いです。