太田弦指揮群馬交響楽団の第603回定期演奏会が、11月23日(土)に高崎芸術劇場で開催されたので、聴いてきました。
チラシ表
(出 演)
指揮:太田弦
ヴァイオリン:伊藤文乃 (群響ソロ・コンサートマスター)
チェロ:長瀬夏嵐 (群響首席奏者)
管弦楽:群馬交響楽団 (コンサートマスター:福田俊一郎)
太田弦さんは、1994年札幌市生まれ。東京芸大指揮科卒業、2015年の第17回東京国際音楽コンクール(指揮)第2位。2023年4月から仙台フィル指揮者、2024年4月から九州交響楽団首席指揮者を務めている。伊藤文乃さんは、桐朋学園大卒業、ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール第3位(1位無し)、2009年から群響コンサートマスター、2023年同ソロ・コンサートマスター就任。長瀬夏嵐さんは、桐朋学園ソリストディプロマコース修了、2005年から群響首席チェロ奏者。詳しくは下記をご覧ください。
(曲 目)
ブラームス / ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ
(アンコール 伊藤文乃(ヴァイオリン)、長瀬夏嵐(チェロ))
グリエール / ヴァイオリンとチェロのための8つの小品 作品39から ガボット
〈休憩〉
ワーグナー (デ・フリーヘル編)/ 楽劇「ニーベルングの指環」オーケストラル・アドヴェンチャー
1. 前奏曲 2. ラインの黄金 3. ニーベルハイム 4. ワルハラ 5. ワルキューレたち 6. 魔の炎 7. 森のささやき 8. ジークフリートの英雄的行為 9. ブリュンヒルデの目覚め 10. ジークフリートとブリュンヒルデ 11. ジークフリートのラインへの道 12. ジークフリートの死 13. 葬送行進曲 14. ブリュンヒルデの自己犠牲
(感 想)
太田弦さんは、仙台フィルと九響にポストをもつ若手指揮者で、今後の活躍が注目されます。今回のプログラムも意欲的なもので、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」の管弦楽版(デ・フリーヘル編曲)は、滅多に聴けないためか、首都圏からもお客様がみえているようでした。
僕はワーグナーが苦手で、神話の世界が描かれる楽劇は敬遠しています。参考にこの曲のCDを聴いてきたものの、原曲を知らないので、どの部分を演奏しているか定かではなかったのですが、濵地宗さんのホルンソロが豪快で、客演のフルートや田村知子さんのクラリネット演奏が印象に残りました。
「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」では、ブラームスらしい重厚な響きが聴け、第1楽章の力強い第1主題から惹きこまれる曲、演奏でした。独奏は、群響の二人でしたが、特に伊藤さんのヴァイオリンが、音色が美しく、歌っていて、良かった。
(演奏写真 群響facebookからお借りしました。)
太田弦(指揮)
ブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲の演奏場面
独奏の伊藤文乃(ヴァイオリン)と長瀬夏嵐(チェロ)
ワーグナー(デ・フリーヘル編曲)「ニーベルングの指環」演奏場面。大編成で、ホルンは8人、打楽器も多数。
左から、太田弦さん、伊藤文乃さん、長瀬夏嵐さん。
(出演者のプロフィール)
【群馬交響楽団ホームページ】
(あらかじめ聴いたCD)
ワーグナー(デ・フリーヘル編曲)「ニーベルングの指環 オーケストラルアドヴェンチャー」。ロランス・レーヌ指揮王立スウェーデン管弦楽団(2013年録音)。この曲のCDは、タワーでは、これだけしか見当たりませんでした。録音されること自体が珍しいのでしょう。
ブラームス:二重協奏曲。ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)、ピエール・フルニエ(チェロ)。アルチェオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団(1956年録音)。古い録音ですが、SACDで、音質が良かった。