医師の顔は明るくない。
不吉な予感はしたものの私自身は体重を落とし血圧は正常値になっているのだから自信ありげな顔をしていたものと想像する。
医師はまず
「前立腺ガン 大腸ガンは見つかりませんでした。肺もOK。」
その後血液検査の結果を見ながら
「肉食ですか?」と聞く。
「とんでもない。私は野菜がイチバン好きです」と答えた。
ところが検査報告書を見ると、まるで肉食で野菜嫌いを物語るようなのだ。
γGTP クレアチニン 尿酸 LDLコレステロール TG中性脂肪 の測定値がH(High)の文字で表されていた。
薄味で野菜食だと思っていたのに結果を見ると正反対だ。
「あれから少し体重を落としまして血圧も正常になりました」と言ってプリントした一覧表を見せた。
「まだ少し高いね。自宅での血圧ならば110-70くらいでないとね」と言う。
循環器を得意とする内科を受診することを強く勧められた。
思わぬ結果と診断にオドロキを隠せなかった。
でも数値は正直に私の生活を語るのだ。
「私は野菜が好きでアルコールも少しだけいただきます」
というフレーズは、これでは使えない。
体重を落とす作業にプラスして食生活の改善が必要となった。
食生活を見直してみると、それらしい原因が浮かんできた。
春野での昼食だ。
ほぼ必ずインスタント食品をとっている。
3日に一度は春野に行っているのだから行った分だけ塩も油も取り込んでいるわけだ。
インスタントラーメン インスタント味噌汁 インスタントカレー それらを食べていることを忘れていた。
アルコールも、この夏の暑さで、ずいぶん多く飲んだ。
しかも肝臓を休めるも暇なく。
これらを食事担当の妻と一緒に対処することにした。
休肝日を設けインスタント食品をやめてカロリーも控えめにする。
そして散歩を欠かさない。
パソコンに書き込む項目も食事内容を増やし自己管理を徹底することにした。
その内容を持って、あと一月後に循環器を尋ねようということになった。
来年のサクラの花はすっきりした身体で見てみたいものだ。
そして血液検査結果の表にHの文字が消えていることを目指す。
これから忘年会や新年会の季節になる。
私の意志の強さを示す機会でもある。
私の検診をした医師に「治りました」という言葉を入れた年賀状を送れないことが残念だ。