家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

煙突を立てる

2011-02-12 07:35:53 | Weblog
薪ストーブの煙突はストーブから真上に上げるのを最良とする。

しかし新築ではない我が家の屋根に穴を空けるのは難しい。

ストーブ屋さんに相談したが、どこからも断られた。

自力で壁に穴を空けて、そこから外に出すことにした。

横引きという、この設置方法はメーカーの資料によると2m以内に収める必要があるらしい。

さらに横引きの長さの1.5~2倍以上の長さが上に伸びる煙突の長さに必要であるらしい。

我が家は軒が張り出していて、その長さだけでも60cmあり壁から屋根下に辿り着くまでに既に80cm必要だ。

なるべく長さを抑えるために室内の長さを削った。

壁から20cm。

これでやるしかない。

さて煙突の最上部が建物から100cm以上の高さが必要であるとも書かれている。

それをクリアーするだけの煙突は用意できている。

ただその高く突き出す煙突を支えるのはメーカーから売り出されている金具だけで持つものだろうかと心配になった。

重さ的には問題ないのだが。

不安になっているときY爺さんがやってきた。

「どうだ。出来たか?」

私の不安を伝えると

「パイプを買ってきて立てりゃいい。オレの軽トラで行って買ってくりゃいい」

と答え、その答えを出すための足を与えてくれた。

早速ホームセンターに走りパイプを購入してきた。

パイプ小屋を建てた経験からパイプの扱いは楽だった。

地面に埋けたパイプの固定用コンクリートが乾いたことを確かめて煙突を組み立ててパイプに固定した。

煙突は、それぞれ10cmほど差し込んで組むのだが、その煙突ごとにパイプに固定した。

Y爺さんの検査があった。

「おお、これなら台風でも大丈夫だぇ」と太鼓判をもらった。

Y爺さんは安全を第一に考えている。

ストーブを使っているときに煙突が外れても室内では、それに気付かないから危険だという。

Y爺さんのお墨付きを得て、いよいよ初点火をした。

杉の枯葉を中に入れてライターで火をつけた。

炎と煙は煙突に吸い上げられていく。

新品の塗料の焦げる臭いが耐えられなく窓を全開にした。

だが薪ストーブの暖かさは窓から侵入する冷たい空気にも負けない。

焚き口の扉を開けたままにしてゴーという燃える音を聴いた。

揺らめく炎と照りつける明るさになるべく額を近づける自分がいた。