とうとうベネズエラが100万分の1のデノミだそうです。そんな数字を言われてもピンと来ませんが、何と、一万円札が一銭になるのだそうです。
宮崎さんが報告してくれています。流石のChinaも手を出さなくなったようです。と言うか、もうそんな金も無いのじゃないでしょうか。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)10月4日(月曜日)
通巻第7071号
はい、一万年札は本日からただの一銭になります
ベネズエラ、100万分の1にデノミ。町は闇ドルが横行
ワイマール共和国では、リヤカー一杯に札束を積み上げ、店へ行ってもコッペパン一箇しか買えなかった。それも店にはいると きと出るときで価格上昇になっていた。
ジンバブエは何回もデノミを繰り返すうちに国民は誰も自国通貨を信じなくなり、ドル、ユーロの列に人民元が法定通貨となっ た。
経済危機に喘ぐベネズエラは10月1日に新札を発行し、百万分の一のデノミを宣言した。日本で喩えると、一万年札が、ただ の一銭になった。マドゥロ大統領の独裁下、ベネズエラ経済は事実上破綻している。
従来の通貨ボリバル・ソベリは、10月1日からボルバル・デジタルに改称され、新札のデザインも発表された。デノミは過去 13年間に三回行われており、慣れっこである。
インフレ率は2019年が9000%、20年に3000%、21年の九月までに1600%、つまり物価は90倍、30倍、 そして今年になっても16倍。トイレットペーパも医薬品も払底している。
政情不安と治安悪化を嫌がって、450万人のベネズエラからの難民(人口が2700万人だから、およそ17%弱の国民が他 国へ難民となって散った)。
国連が把握しているベネズエラ難民は、コロンビアに110万人。ペルーに5万人、チリに28万人、エクアドルに22万人、ア ルゼンチンに13万人、ブラジルに10万弱。このほかに統計に出ない難民が周辺国に流れ出た。
あれ? ベネズエラって、資源リッチ。石油大国じゃなかったの。
往時日量330万バーレルだった原油輸出は、2020年統計で110万バレルに激減している。理由は政情不安、治安悪化、 ハイパーインフレに加えて、じつは生産コストである。ベネズエラ石油は1バーレルにつき、70ドル前後のコストが必要であ り、原油安の市況では商いが成立しない。現在の輸出は長期契約のよる固定価格であって、おもに中国向けである。
ベネズエラは旧スペイン植民地。19世紀初頭に独立したが、軍事クーデターが繰り返され、92年にはチャベス中佐の未遂が あった。国是は反米、最大の敵は隣国コロンビアで、99年にチャベスが政権を掌握すると断交、3週間で修復されたが、 2019年にまた断交した。
2013年に自らマオイストを名乗ったチャベスが癌で死ぬと、側近のマドゥロが政権を掌握し、独裁色を強めた。野党が議席 の三分の二を占めているにもかかわらず、大統領命令を乱発し権力に居座っている。
国際社会はマドゥロ政権を認めず、グアイド暫定政権を合法としているが、2017年になってトランプ政権はコロンビアに経 済制裁を発動した。
泣きつくとカネがでた中国も財布をしっかりと締めた。
やはりおかしなリーダーを持つと国民は不幸です。日本も皇室を潰せば同じことになるのじゃないでしょうか。
先人が作り上げてくれた権威と権力の分離の素晴らしさを何としても守り抜かなければなりません。