Chinaの壮大な鉄道網建設はこの期に及んでも続けるようです。今度はチベットからネパールへヒマラヤ連邦にトンネルを掘って敷設するのだそうです。
この計画がChinaの世界制覇の野望が無く、おから工事で無いのなら大歓迎ですがそうでない限りは止めてもらいたいものです。
宮崎さんが報告してくれています。しかし、こんなものが出来上がるまでChinaが崩壊せずに延命しているとは思えませんが、何があるか分からないだけに恐ろしいものがあります。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)12月11日(土曜日) 通巻第7155号
大言壮語からリアリティになるのか。チベットからネパールへ鉄道を敷く
ヒマラヤ連峰にトンネルを掘って、カトマンズと北京を繋ぐ???
青蔵鉄道の開通は2005年だった。青海省西寧からチベット自治区のラサへ、標高四千メートルを驀進する鉄道が開通し、旅 客は高山病をさけるために酸素ボンベが装備された列車だった。日本からも多くの鉄道ファンが試乗にでかけた。
ラサからさらにチベット南部のシガツェに鉄道は延長されたのは2016年、オリ(ネパール副首相)が北京を訪問し、署名し た。
さらにシガツェから国境のギイロンへ鉄道敷設工事が始まり、2022年開業を目指している。
チベット側の工事は中国が占領しているから、やりたい放題だが、ネパールは従来、インドの保護領的存在であり、中国とは力の 均衡を取ってインドを牽制するために、ヒマラヤを越える鉄道の提案を受け入れた。ポーズだけと見られた。
ヒマラヤに穴を空けて、鉄道で繋げるなどというのはおとぎ話、だれも本気にしなかった。まして中国からの輸送は空輸とト ラック輸送で行われており、鉄道を敷設することは経済効果としても意味が薄い。
だが、中国は一帯一路の一環プロジェクトとして前向きなのである。当初27億ドルと見積もられた工事費は55億ドルに跳ね 上がり、もちろんネパールに、支払い能力もなければ返済の当てもない。
プロジェクト見積もりの98・5%がトンネルなのである。中国の計画では蘭州からラサへ2431キロの鉄道も繋がり、輸送 力は倍加したとし、シガツェからカトマンズへは724キロ。隧道工事の技量が問われるだけだと中国鉄建などは豪語している。
12月初頭、雲南省の昆明からラオスのビエンチャンへ新幹線を繋げたばかりで、士気は高い。ラオスは借金が支払えず、借金 の罠に落ちたが、どうせどの国も経済支援をしてくれないのだから、ま、いいかというわけなのだろう。
ネパールは王制を倒したマオイストが政権を握り、経済は悪化の一途。この状況に2015年、地震に襲われて、町も村も荒廃 したまま、復興のメドは立っていない。
インドもこれ以上の面倒は見られず、ネパール経済の基軸は観光とヒマラヤ登山客。それに国連軍へ派遣するグルカ兵くらいだ。 コロナ禍で観光と登山客は不在となった。
ネパールに筆者が最初に行ったのは半世紀前。親日的で、仏教徒の国だから人々は融和で、町は平穏だった。ポカラへも足を延 ばした。
七年ほど前に再訪したおりは、世界遺産の近郊都市を訪ねまわり、1972年に泊まったホテルで食事したが、王制は倒された跡 で、国王は王宮に隠棲し、町には喧噪だけが響き、ひとびとはややささくれ立っていた。
町の表情といえば、半世紀前の光景が残存しており、日本人観光客は去り、多くあった日本風居酒屋は中国人で満員だった。
このChinaの鉄道網は何年か後には壮大な廃墟になるのは間違いないでしょう。何とも壮大な無駄です。勿体ない限りです。