あの独裁国Chinaで三代の皇帝を操ってきた王滬寧について宮崎さんが詳しく取り上げてくれています。
何とも恐ろしい奴が居るものです。こういうのを影の皇帝と言うのでしょう。一体何を企んでいるのでしょうか。それとも、単なるおべっか使いでしょうか。やはり、そんな単純な奴ではなさそうです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)12月12日(月曜日) 通巻第7549号
学者から政治の舞台裏へ。三代に亘って皇帝を操る影の演出者
王滬寧(政治局常務委員。序列四位)が中国覇権戦略を立案した理論家
舞台に上がると陽炎のように存在感が薄く、猫背の陰謀家のように気味悪い人物。
1980代後半に中国の国際政治学で論客として注目され、復丹大学教授から江沢民政権でイデオロギー担当の高官に抜擢された。
習近平政権後期の2017年からは政治局常務委員となりトップセブン入りを果たした。
彼は中央書記局で重要文書を起草し、新しいイデオロギー構築のために、骨身を削って皇帝の演説の起草をこなしてきた。一言でいえば「新権威主義」だ。
江沢民の「三個代表論」と胡錦涛の「科学的発展観」、そして習近平の「中華民族の復興は中国の夢」とするスローガンをまとめた。これらを起草した王滬寧 (政治局常務委員。序列四位)が中国の世界覇権戦略を立案した理論家である。学者から政治の舞台裏へ飛躍し、三代に亘って皇帝を操る影の演出者となった。
泥沼のような暗い権力闘争の真っただ中にあって三代の皇帝を手繰る技量は、第一にほかの誰もが持ちえない理論武装の技量と精密度であり、第二に力の源泉 となる派閥に属さず、派閥抗争とは距離を置いてきたこと。第三に誰もが目の色を変える黄金への執着、つまり蓄財に興味がないことだ。
王滬寧は数冊の著作があるが、なかでも半年にわたる米国滞在で米国政治の特質を観察した『アメリカvsアメリカ』(本邦未訳)は二大政党の対立ばかりか、政党内対立があり、この矛盾を突く外交を理論化した。彼こそはディープステーツ・ドラゴンの中核に陣取っているのだ。
何と、DS(ディープステート)の中核ですか。こういう発想は無かった。やはり、相当に恐ろしい奴のようです。
きっと、習皇帝なんて歯牙にもかけないのでしょう。それにしても、金に執着しないのが最強というのは面白いですね。
金に執着しない者が金の亡者達の中心というのは何とも不気味な図ですね。さて、世界はどうなるのでしょうか。